相続税の分割納付・延納とは?相続税が払えない場合どうすればいい?

本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。

 

相続税は原則金銭での一括納付をするものですが、それが不可能な場合はどうすれば良いのでしょうか?

その際の選択である分割納付・延納についてご説明いたします。

 

 

目次

1.分割納付・延納とは

2.相続税を分割納付=延納するための条件とは

3.延納の担保にできる資産の種類

4.延納の期間と利子税の計算

5.おわりに

 

相続税の分割納付・延納とは?相続税が払えない場合どうすればいい?

 

1.分割納付・延納とは

相続税を一括で支払わず、分割して支払うことのできる制度を延納と言います。

どのような場合でも必ず認められるというわけではありませんが、認められた場合は相続税を分割して納付することができます。

 

決まりとして、相続税は金銭にて一括納付を行わなければなりません。

しかし、相続するものが必ずしも金銭であるとは限らないため、相続税の金銭での一括納付が困難な場合もでてきます。

そういった場合の救済措置とも言えるものが、相続税の分割納付であることです。

 

2.相続税を分割納付=延納するための条件とは

相続税の延納が認められるための条件は以下の四つです。

こちらの四つの条件を満たしていた場合に、相続税の分割が認められるのです。

 

条件1 延納税額相当の担保の提供

自動車・有価証券・不動産を担保として提供する必要があります。

※この担保は、期間が三年を下回っており、延納税額も百万円を下回っている場合には必要ありません。

 

条件2 金銭納付が困難な金額であること

この制度を利用するには、相続税の金銭での一括納付が困難であることが必要になります。

「金銭での一括納付は可能だが延納を選択したい」といったようなことはできませんので覚えておきましょう。

金銭での一括納付が困難な状態というのは、相続人がもともと持っている資産と相続した財産から相続税の一括納付が困難な場合ということです。

 

条件3 相続税が十万円を超える金額であること

この制度の利用には、相続税額が十万円を超える金額である必要があります。

この十万円というのは、相続人全体の支払う相続税額のことではなく延納を希望する相続人一人が支払う金額のことですので、それも覚えておきましょう。

 

条件4 延納申請書を申告期限までに提出しなければならない

相続税の申告期限は、相続の開始を知ったその日の翌日から起算して十ヵ月以内です。

その間に、延納申請書・担保提供関係書類・金銭での一括納付が困難である理由書を提出しなければなりません。

提出漏れが起こらないようになるべく早めの提出を行うようにすると良いでしょう。

 

3.延納の担保にできる資産の種類

延納にあたっては担保の提供が必要であるとご説明いたしましたが、担保にできる資産とは具体的にはどういったものなのでしょうか?

それは以下のようなものです。

 

・税務署長が認める保証人による保証

・飛行機、自動車、船舶

・社債、その他有価証券

・土地

・国債

 

また、上記に含まれていてもその他条件が必要なものや、他にも担保にできる資産もありますので、担保を選ぶ際には知識のある方に相談するようにすると確実でしょう。

 

4.延納の期間と利子税の計算

延納期間

この期間は、条件によって上限がことなります。

その上限は、最短で五年から最長で二十年までと分かれています。

不動産の割合が50%未満の場合、50%以上75%未満の場合、75%以上の場合により分かれ、さらに動産なのか不動産なのかによっても上限期間が異なります。

 

利子税の計算について

この制度は無利子ではありませんので、延納制度を利用した際、利子税を追加で支払う必要があります。

利子税は相続財産の内容により異なり、不動産等の割合が50%未満か50%以上か、動産か不動産かが影響します。

 

5.おわりに

相続税の分割納付・延納についてご説明いたしました。

この制度には条件がございますので、希望される場合にはまずはその条件を確認しましょう。

そのうえで、期間や利子税についても知っておくと役に立つ時が訪れるかもしれません。

 

 

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