【相続問題】遺産分割で不平等と、トラブルにならないために

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遺産を相続する際にかならず突き当たるのは、遺産分割の問題です。

亡くなられた方のためにも、遺族で争うのはできるかぎり避けたいものです。

しかし、相続人ひとりひとりがそれぞれの主張を持っている場合、時には衝突が起きてしまうこともあります。

そんな事態を防止するため、相続の際にトラブルとなりやすいケースや、不平等と捉えられるケースを把握しておきましょう。

 

 

目次

1.仲の良い家族でも争いは起こる

2.遺産相続でトラブルになるケースと具体的なデメリット

3.不平等と捉えられるケース

4.トラブル防止のために弁護士に相談しよう

5.おわりに

 

【相続問題】遺産分割で不平等と、トラブルにならないために

 

1.仲の良い家族でも争いは起こる

遺産分割のトラブルと聞くと、仲の悪い兄弟間や問題のある家庭環境でしか起こらないものと考えてしまうかもしれません。

 

「自分の家族であれば円満に相続ができるだろう」

「遺産を譲り合うだろう」

 

と思う方もいるでしょう。

しかし、実際には仲の良い家族でも、親が亡くなったことをきっかけに、家族関係が壊れてしまうほどのトラブルが起きることもあります。

 

司法統計によると、平成30年度に家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件の件数は13,000件以上。

また、遺産分割事件のうち75%以上は、5,000万円以下の遺産をめぐって争っています。

 

このように遺産分割のトラブルは、誰にとっても身近なものなのです。

特にトラブルが起こりやすいケースを以下で紹介しますので、思い当たる節がある方は今のうちから対策を考えておくことをおすすめします。

 

2.遺産相続でトラブルになるケースと具体的なデメリット

相続する遺産の中に不動産が含まれているケース

不動産は分割の方法が複雑で、トラブルを引き起こしやすい代表的な遺産です。

不動産を売却し、その売却益を分割することができれば話が早いのですが、親が住んでいた自宅の場合には反対意見を出す相続人がいる可能性も考えられます。

 

他の相続人が知らなかった前妻との子や認知した子が突然現れるケース

被相続人と前妻の間に出来た子や、被相続人が認知した婚外子がおり、その存在を現在の家族が知らなかったケースです。

離婚した時点で被相続人の前妻は相続権を失いますが、子は離婚後でも被相続人の実子として被相続人が亡くなった際に遺産分割を求めることができます。

もちろん認知した婚外子も同様です。

分割協議がまとまりかけていたタイミングでこれらの相続人が突然現れ、話が振り出しに戻ることもあります。

 

こうして起きたトラブルが長引くと相続人同士の関係が険悪になってしまうのはもちろん、財産の活用や相続税の面でもさまざまなデメリットがあります。

たとえば、相続税では相続が始まってから10ヶ月以内、「3年内分割見込書」を提出する場合でも3年以内に協議がまとまらなければ、各種控除を受けられず、より多くの相続税を払うことになってしまいます。

相続人たちができるだけ多く遺産を相続するために争った結果、全員が損をしてしまうのです。

 

3.不平等と捉えられるケース

相続する遺産の割合が均等だったとしても、それまでに受けた贈与などを理由に、他の相続人から不平等な相続だと捉えられるケースもあります。

 

例えば親の遺産3,000万円を2人の子で相続するとしましょう。

単純に考えれば1,500万円ずつに分割すれば均等に相続することができますが、一方の子だけが留学の際に学費として600万円を親から贈与されていた場合はどうでしょうか。

もう一方の子は、ただ遺産を等分しただけでは不平等であると感じるかもしれません。

 

この例での学費のような、被相続人から受け取った特別な利益のことを「特別受益」といいます。

特別受益があった場合には、遺産だけでなく特別受益も含めて相続分を決めなければなりません。

具体的な計算式は次のとおりです。

 

 

特別受益を受けた相続人の相続分

(遺産の総額+特別受益の額)×法定相続分-特別受益の額

 

それ以外の相続人の相続分

(遺産の総額+特別受益の額)×法定相続分

 

 

先ほどのケースに当てはめると、学費を贈与された子は(遺産3,000万円+学費600万円)×2分の1-学費600万円=1,200万円。

もう一方の子は(遺産3,000万円+学費600万円)×2分の1=1,800万円をそれぞれ相続することになり、特別受益の600万円分、差額が生まれます。

 

今回は留学にかかる学費を例にあげましたが、他にも遺言書によって遺贈された財産や婚姻・養子縁組のための贈与、開業や自宅購入のための資金援助などが特別受益にあたります。

 

4.トラブル防止のために弁護士に相談しよう

遺産分割をするにあたって相続人同士の意見が対立してしまうと、お互いが一歩も譲らず、長期的なトラブルになってしまいがちです。

子の1人だけが被相続人を介護していた、被相続人に内縁の配偶者がいたなど、今回ご紹介した以外にもトラブルが起きやすいケースは数多くあります。

 

協議を始めるにあたって不安なことがある場合や、トラブル防止のために遺言書を作成したい場合には、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。

 

5.おわりに

遺産分割の不平等やトラブルを防止する一番の近道は、相続人たちが現状を正確に把握し、どのように遺産を分割するかを話し合っておくことです。

必要に応じて弁護士や専門家などに相談をし、円満な相続を実現してください。

 

 

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