【基本知識】相続税のかからない非課税財産は4つあります
本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。
相続税は、全ての財産に課せられるとは限りません。
中には非課税対象となっている財産もあり、国税庁によって明確に指定されています。
財産総額を自分たちで計算する際に、非課税とされるものが財産の中に含まれていないかをまず調査しましょう。
本記事では、相続税関連での基本知識となる、非課税財産を4種お伝えします。
目次
3.非課税財産その3:非課税枠内で相続人が受け取れる死亡退職金
1.非課税財産その1:日常 礼拝をしているもの
祖先を祭るために存在する、いわゆる“祭祀財産”(さいしざいさん)と呼ばれるものがこれに相当します。
民法によって、おおまかに以下の3つで区分けされています。
①系譜
家系図など、血縁関係の記された文章
②祭具
仏壇、神棚など、礼拝や祭祀の際に使用する道具
③墳墓の所有権
墓石、霊屋、それらが存在する敷地の所有権や使用権
生前に被相続人が祭祀財産を購入しておくことで、財産総額を減らせます。
祭祀財産は、慣習にしたがって定められた特定の人物にのみ継承され、分割されることはありません。
この人物のことを“祭祀継承者”と呼びます。
仮に、被相続人が祭祀継承者を指定していなかった場合、家庭裁判所が適当な人物を定めることとなっています。
もしくは、血縁関係者の同意があれば特定の親族や被相続人が親しくしていた友人にその権利を与えることも可能です。
なお、祭祀財産は財産放棄をしていた場合でも継承が可能です。
2.非課税財産その2:国や地方団体などに寄付された財産
相続や遺贈により取得した財産で、相続税の申告期限までに国や地方公共団体などに寄付された財産は、公益事業のために財産が使用されることが確実である場合、その財産分だけを非課税とされます。
国や地方公共団体だけでなく、慈善・宗教団体、更生保護事業がこれに当てはまります。
その他、被相続人が生前学校経営をしていた場合は、その土地は非課税対象となる可能性があります。
盲学校や養護学校、幼稚園などがこの対象となります。
学校を対象とする場合、継続して5年以上運営され、適正に税務申告・納税がなされていたことが条件となります。
ただし、相続人のいずれかがその学校を引き続き経営することが必要です。
公益事業などへの寄付金は、2年以内に公益事業の用途で使用されなければ、非課税とならずにさかのぼって課税されます。
こちらは確認が少々難しくなるため、税理士など知識のある人の力を借りながら確認するとよいでしょう。
3.非課税財産その3:非課税枠内で相続人が受け取れる死亡退職金
死亡退職金や、生命・損害・死亡保険は“みなし相続財産”として課税対象となっていますが、法定相続人数によって非課税枠が設けられています。
非課税枠の限度額は、
500万円×法定相続人数
の計算式で算出可能です。
計算式にある通り、非課税になるのは法定相続人のみで、相続人でない人物には控除が適用されません。
よって、相続税が課せられることとなりますので注意が必要です。
さらに、相続放棄をした人物についても控除が適用されません。
また、現代では“死亡退職金”と共に“弔慰金”が会社から支払われることがあります。
会社によって死亡退職金について設けられているルールが違うため、被相続人が勤めている会社の規定を必ず確認しましょう。
弔慰金を受け取った場合、一定額までは非課税の対象となります。
■業務上で死亡した場合
賞与以外の普通給与3年分
■業務外の死亡の場合
賞与以外の普通給与半年分
ただし、一定額を超える弔慰金が支払われたとしても、“死亡退職金”として扱えます。
4.非課税財産その4:その他の財産
上述以外の非課税財産として、“心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権 ”というものが存在します。
その名の通り、心身に障害のある人物や扶養していた人物について、地方公共団体から定期的に送られる給付金を受け取る権利を指します。
この権利で給付を受ける金銭については、給付額に関わらず、相続税や贈与税の対象とはなりません。
5.おわりに
相続税の非課税対象とされているものは、おおまかに4種存在します。
例外なく必ず非課税とされるものから、一定の条件が整わなければ対象とならないものがあり、細かに規定されているため確認が必要です。
相続税がかからない財産については、国税庁のホームページからも確認できるため、目を通すことをおすすめします。
また、非課税対象の財産確認の際には、税理士や弁護士など、法関係に詳しい人物に助けを仰ぐと迅速かつ的確に把握ができるためお任せするのも手です。
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