親の死亡による相続税発生。経過順に必要な手続きをご説明
本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。
親が死亡した際には多くの手続きがあります。
税金に関する手続きや勤務先に対する手続き、さらに健康保険や介護保険等に関する保険の手続き、必要であれば公共料金の解約手続きも必要でしょう。
その中で一番重要な手続きは相続税の問題でしょう。
本記事では税金、特に相続税に関する手続きに関して、タイムリミットも踏まえつつ解説します。
目次
1.相続税発生から4カ月以内にする手続き
被相続人が死亡した場合の相続手続きには、非常に多くの種類があります。
まずは4カ月以内にすべきことを紹介します。
死亡診断書をもらう
病院で亡くなった場合は死亡診断書、事故で亡くなった場合は警察に連絡して死体検案書を申請します。
これらは後の様々な手続きで必要になるため、必ず受け取るようにしましょう。
できれば当日、最低でも次の日には受け取り、各種申請等に複数枚使用する可能性があるため、複数枚発行してもらうことをおすすめします。
相続人と相続財産の調査
こちらは、葬儀が終わり落ち着いた後に速やかに行いましょう。
目安としては49日を終えたあたりが良いでしょう。
相続人の調査に関しては、戸籍謄本を元に行います。
遺言などなければ、配偶者や直系尊属などが主な相続人となります。
相続財産に関しては正確な調査が重要です。
被相続人の借金が発覚したり、追加で相続財産が見つかったりした場合、もう一度手続きをやり直す必要があります。
遺言書の検認手続き
検認手続きのタイミングは前述した「相続人と相続財産の調査」と同様です。
検認手続きとは、家庭裁判所で相続人等の立ち合いのもと、遺言書を調査することをいいます。
遺言書が法的な要件を満たしているのか調査することを主な目的としています。
相続放棄・限定承認の申し立て
こちらは相続発生後3カ月以内に行うことになります。
相続放棄は金融資産や不動産などの一切の財産を相続しない代わりに、借金などの負債の相続を免れる手続きのことです。
限定承認は、相続した遺産の範囲内で借金も受け継ぐ相続方法です。
いずれも相続発生後3カ月以内の手続きが必要です。
2.相続税発生から10カ月以内にする手続き
相続税発生から10カ月以内にすべきことは以下の通りです。
遺産分割協議にて分配方法を決定
まず、“遺産分割協議”と呼ばれる遺産の取り分を決める話し合いを行います。
この協議での取り決めは、相続人全員が合意するものでなければなりません。
分配については各人の話し合いで決めることができますが、民法の法定相続分を参考にすることが多いでしょう。
各々の分割が決まれば、遺産分割協議書に記載し相続人全員の押印の後、手続き完了となります。
相続税の申告
相続税の申告は、相続発生後10カ月以内に行う必要があります。
基礎控除額を超えた場合、申告する義務が生じます。
相続税の申請書は自分で作成して提出することができますが、高い専門知識を要するため専門家に依頼すると良いでしょう。
3.相続税発生から1,2年以内にする手続き
この時期にすべきことは、遺留分侵害額請求です。
被相続人の配偶者と子には、法律によって最低限相続できる財産の割合が決められています。これを“遺留分”と呼び、割合は法定相続分の1/2です。
上述に満たなかった場合は、多めに財産を受け継いだ者に対して遺留分侵害額請求を行えます。
これは裁判所などの機関を通さず、対象者に直接内容証明郵便などで発送します。
ただし、これは1年を経過するとできなくなるので注意が必要です。
4.相続税発生から5年以内にする手続き
5年以内にする手続きは、相続税以外のことになります。
未支給年金の申請や遺族年金等の受け取りなど、これらは相続において必ずしも行うことではありませんが、相続税の申請をしないと本来得られるはずだったお金が受け取れないというケースが発生します。
また、5年経つまでにも健康保険・介護保険の喪失届や各種インフラの解約、所得税の準確定申告、保険金の受け取りなど相続に関すること以外にも多くの事項があります。
5.おわりに
以上のような流れで相続税の手続きをしていきます。
親が亡くなってからだと、葬儀や心身の疲労などでなかなか手続きにまで手が回らないケースが多いため、相続税に関する情報の収集など事前準備をしておくことをおすすめします。
親が亡くなってから、何カ月にも渡って手続きを1人で管理して行うのは難しいので、専門の税理士に相談してアドバイスをもらいながら行うと良いでしょう。
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