相続が発生する時期と相続を放棄する場合について

本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。

 

細かな期日と法律が定められている相続。

正しい知識を備えておかなければ、特例が適用されなかったり、罰則を受けたりすることもあります。

相続が起きた時に慌てて手続きや税制上の特例について調べるとなると、少々不安が残ることでしょう。

 

本記事では、事前に確認ができることの中から、主に相続発生時に知っておきたいことについてお伝えします

 

 

目次

1.相続が発生する時期と対象になるもの

2.誰が相続人になるか調べる

3.相続人が先に死亡した場合

4.法定相続人がいない場合

5.おわりに

 

相続が発生する時期と相続を放棄する場合について

 

1.相続が発生する時期と対象になるもの

相続は、被相続人がお亡くなりになったその瞬間から発生します。

訃報を受けたら、すぐに手続きに入れるように準備を始めましょう。

 

相続の際にまず確認しておきたいのは、被相続人の遺した財産です。

財産の中には、課税や遺産分割の対象とならないものが存在します。

 

例えば、墓石や仏壇などはこの対象となりません。

これら”祭祀財産”と呼ばれるものは、地方の慣習や生前の口頭約束などによって定められた”祭祀主宰者”が継承します。

多くは、息子や長子がその役を担うことになるでしょう。

誰が継承するか決められていなかった場合は、家庭裁判所が判断し選出することとなっています。

 

また、何かと問題になりやすい生命保険。

死亡保険金については相続財産に含まれず、基本的には指定された受取人が保険金を受け取ることとなっています。

ただし、死亡保険が高額である場合は、不公平があってはならないとして、遺産の受取金額が減額されることになります。

また、生命保険については、遺産分割対象とはならずとも課税対象となるので認識しておきましょう。

 

財産にならないものの他に着目しておきたいのが、自身が相続する財産がどのようなものであるかという点です。

財産は、その全てが相続人にとってプラスとなる訳ではありません。

というのも、財産には被相続人が支払いきれずに遺したローンや借金なども含まれるためです。

これを”マイナスの遺産”と呼びます。

 

マイナスの遺産があまりに多いなどの理由がある場合、”相続放棄”によって、財産を引き継ぐ権利を放棄することが可能です。

ただし、相続放棄をするには、期日までに家庭裁判所に本人が届け出なければなりません。

期日は相続が始まってから3ヶ月以内となっており、それまでに手続きができなかった場合は、一部例外を除いて放棄ができません。

財産内容と届け出の期日の確認は、しっかりと行っておきましょう。

 

2.誰が相続人になるか調べる

相続人となれる人物は、法律で定められています。

基本的には、被相続人の配偶者、血縁者である”法定相続人”がこれに当たります。

ただし、遺言によって第三者が財産を受け継ぐ者とされている場合がありますので、遺言書の確認は怠らないようにしましょう。

 

法定相続人の調査方法ですが、まずは被相続人の誕生から死亡までが記載された全ての戸籍を取り寄せる必要があります。

戸籍は、居住変更がある度に作成されます。

取り寄せるためには、戸籍作成した市役所等へ申請しなければなりませんので、大変な手間がかかることをあらかじめ理解しておきましょう。

取り寄せた後は、戸籍に記載された情報を辿って、相続人となり得る人物を洗い出します。

 

調査の際には、本来相続人となるべきにもかかわらず相続権を失っている人物がいないか確認を怠らないようにしましょう。

相続人が生存時に、非行を行っていた場合、”相続排除””相続欠格”として相続権をはく奪されます。

 

過去に養子縁組みしていた人物、知らされていない血縁者など、自分たちの知らなかった相続人がいる可能性は十分にあるため、きっちりと調べましょう。

 

3.相続人が先に死亡した場合

この場合は、”代襲相続”という形で代理の人物がその権利を継承します。代襲できる者は、本来権利を持っていた人物の子どもです。

 

仮に直系の相続人であれば、子、孫、その子ども、そのまた子ども…と、どこまでも権利が渡ります。しかし、被相続人の兄弟姉妹などは、直系血族から外れてしまうので、代襲権を持つのはその子どもまでとなります。

 

この代襲相続人も相続人としての地位が確立していますから当然ながら遺産分割協議に参加することとなります。

また、相続開始から遺産分割協議が終了までの間に相続人が亡くなった場合、この人物の相続人がその財産を引き継ぎます。

再分配されるこの相続を”数次相続”と呼びます。

 

4.法定相続人がいない場合

相続人となるべき人物が全員死亡している、相続人全員が相続放棄をしている、相続欠格とされているなど、法定相続人が存在しない状況を”相続人不在”と呼びます。

この場合、財産は民法により法人のものとなります。

その後、家庭裁判所により”相続財産管理人”が選ばれる手筈となっています。

 

相続財産管理人とは、相続人や財産の調査、財産の管理、債権の支払い、国庫への帰属などの必要な手続きを行う人物です。

 

 

①相続放棄したが財産管理をしていた者

 

②被相続人に借金をしていた人物

 

③特別親しい間柄であった人物などが申し立ての末、選出されます。

 

 

選任後、まずは相続人の調査が始まります。

仮に、2ヵ月経っても相続人が見つからなかった場合、債権者や受遺者へ申し出の公告がされます。

この間にまだ相続人が見つからない場合、期間を”6ヶ月以上”と定めて、最後の捜索公告を行います。

この期間内に見つからなかった場合、正式に”相続人不在”が確定することとなります。

 

尚、相続するに相応しい人物が見つかった場合は、その人物へと財産相続がされます。

以上の過程を辿っても見つからない場合、そのまま国庫へ帰属することとなります。

 

このような事態を避けるためにも、遺言書を準備して財産を遺す先を決めておきましょう。

渡したい人物がいない場合は、”遺贈”という形で、法人などへ贈ることも認められています。

 

5.おわりに

相続の発生時期とその放棄についての理解はもちろん、起こり得る事態への対処方法を知っておくことも重要です。

いざ遺産を分割しようとする際に少しでも不安が軽減されるよう、今の内にある程度のことについては備えておきましょう。

相続人の確認など、相続発生前でもできることはあるため、先に調査をすませるなどしておくと尚良いでしょう。

 

 

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