海外資産を相続すると相続税はどうなるのか徹底解説

本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。

 

海外資産を相続する際には、日本国内の時とは勝手が違うため知っておいた方が良いことは増えます。

相続の際に、海外資産があることが分かった場合に役立つ知識をこちらではご案内します。

 

 

目次

1.海外資産を相続する時に納税義務が発生する人

2.海外資産に不動産がある場合

3.プロベートの有無

4.海外の不動産を相続する時の注意点

5.おわりに

 

海外資産を相続すると相続税はどうなるのか徹底解説

 

1.海外資産を相続する時に納税義務が発生する人

海外資産に納税義務が発生する人には条件があります。

その条件とは、その人が、無制限納税義務者であることです。

 

無制限納税義務者、聞きなれない単語です。

無制限納税義務者とは何なのかを簡単に言うと、日本国内に一時的ではなく居住している方のことを指します。

つまり、日本国民の大多数が無制限納税義務者なのです。

 

海外資産を相続した際は、原則として納税義務が発生する、そのように考えているとおおまかに間違いないでしょう。

 

2.海外資産に不動産がある場合

海外資産に不動産がある場合には、その資産のある国がどのような主義の国なのかが重要です。

この主義は大きく以下の2つに分けられます。

 

相続分割主義

アメリカや中国などがこの相続分割主義の国家です。

相続分割主義の国家では、不動産に関しては自国の法律に準拠し、それ以外の資産に関しては日本の法律に準拠する主義をとっている国家です。

 

相続統一主義

相続統一主義の国家はそのなかでも2種類に分かれます。

2種類それぞれの内容については下記にてご説明いたします。

そのうえで相続統一主義とは何なのかですが、遺産の種類に関係なくすべての遺産を一つの国の法律に準拠して扱うという主義のことです。

 

住所地法主義

スイスなどがこの住所地法主義をとっている国家です。

被相続人が最後に住んでいた国家の法律に準拠するのがこの住所地法主義です。

 

本国法主義

本国法主義とは、日本やドイツ、イタリアなどがとっている主義のことです。

本国という言葉が示している通り、被相続人の国籍を元にその本国の法律に準拠するのがこの本国法主義です。

 

3.プロベートの有無

プロベートとは、検認裁判のことです。

裁判によって、被相続人の財産を誰が相続するのかを決めるのがプロベートです。

日本での場合は基本的にはプロベートをすることは無く、当事者達による遺産分割協議により相続は行われます。

 

しかし、海外資産を相続する場合は、プロベートが必要となるケースがあります。

プロベートは長ければ数年かかることもあるため、場合によっては腰を据えて行う必要があります。

また、この場合、日本の法律としては開始を知ってから10ヶ月以内に相続税申告をしなければならないため、この部分の整合性が取れません。

 

どのようにするかは個人で手に負える範囲を超えてしまっているため、税理士や相続診断士など専門家に相談するようにしましょう。

 

4.海外の不動産を相続する時の注意点

また、海外の不動産を相続する際には他にも注意点があります。

 

まずは税金です。

海外の不動産の住居地で税金を納める必要のある場合も、日本で税金を納める必要のある場合もあります。

自分たちの場合は、どちらで支払わなければならないのか、またどちらで支払った方が安いのかなど専門家に相談してみないとなかなか分からないことも多いでしょう。

 

そして、海外不動産の評価は日本国内では日本円でされることにも注意が必要です。

為替レートも関わってくるため、対応するタイミングも重要と言えるでしょう。

場合によっては、生前贈与も視野に入れてみても良いでしょう。

 

5.おわりに

海外資産を相続する際に知っておきたい知識についてご説明いたしました。

各国の主義やプロベート、不動産の扱いなど様々な内容をお伝えいたしましたが、国家を跨ぐ対応となるとやはり個人で対応できる範囲を超えてしまいます。

無理をすることなく、海外資産があることがわかった時点ですぐに専門家に相談しましょう。

 

 

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