贈与税の申告に必要な基本知識

本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。

 

節税対策として、“贈与”制度が利用されることは多いです。

ただ、この制度を利用することによって、贈与する金額によっては“贈与税”を負担する義務が生じる場合があります。

贈与税に関する基本的な知識については詳しく理解できていない方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、財産贈与に関連した基本的な知識について解説します。

 

 

目次

1.贈与税の申告義務がある人

2.贈与税の申告方法と期限について

3.贈与税の申告に必要な書類

4.贈与税をきちんと申告しなければバレます!

5.おわりに

 

贈与税の申告に必要な基本知識

 

1.贈与税の申告義務がある人

“贈与”は、特定の人物に対して無償で財産を贈る意思を表示した上で、受け取り手がその意思を承諾することによって成立します。

この際に発生するのが“贈与税”となります。

 

贈与する場合、贈り手(贈与者)ではなく、受け取り手(受贈者)に申告・納税義務が発生します。

仮に贈与を受けた場合でも、後述の条件に当てはまる人物には申告義務が発生しません。

 

 

1.従業員である個人が法人から贈与を受けた

 

2.暦年課税を適用する場合、贈与額が110万円を下回った

 

3.贈与税の申告方式には”暦年課税”と、”相続時精算課税”があります

 

 

“暦年課税”とは、1年間に受けた贈与の総額から110万円の基礎控除額を控除して、税額を算出する制度です。

一方、“相続時精算課税”とは、予め2,500万円までの特別控除額を控除して税額を計算し、贈与税の申告を行い、贈与者が亡くなった時に贈与を含めた財産総額を基に相続税を算出して、そこから相続時精算課税制度により算出した贈与税額を控除する制度です。

利用の際には、ご自身にとって適切な制度を見極めて利用することをおすすめします。

 

「1,従業員である個人が法人から贈与を受けた」場合、贈与税の対象外となりますが、代わりに所得税・住民税の課税対象となりますので覚えておきましょう。

 

2.贈与税の申告方法と期限について

贈与税は、贈与を受けた年の2月1日~3月15日が申告期間となっています。

納税申告期限は最終日の3月15日となっていますので、申告期間と併せて覚えておきましょう。

 

申告方法は、主に下記の4つに分類できます。

 

 

1.税務署へ直接行く

 

2.自分で申告書を作成・郵送する

 

3.税理士に依頼する

 

4.自分でインターネット(“e-Tax”)から申告する

 

 

なお、申告の際には“贈与税申告書”の記入と提出が必要となります。

記入する情報が非常に多いですが、漏れなく記載した上で提出しましょう。

 

3.贈与税の申告に必要な書類

申告の際には、いくつかの確認書類が必要となります。

ご自身の制度利用状況によって求められる書類に違いがあるため気をつけましょう。

 

 

配偶者控除の特例を利用する場合(例)

 

 ・財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本

 

 ・財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し

 

 ・居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証明するもの

 

 

他に、住宅取得等資金の非課税を利用する場合、相続時精算課税を利用する場合があります。

 

なお、非課税の特例を適用するためには、申告期間中に特例を受ける旨を記した申告書と必要書類一式を所轄税務署に提出する必要があります。

 

4.贈与税をきちんと申告しなければバレます!

税務署は必要に応じて所得税の確定申告書を提出している納税者及びその家族の預貯金の調査を行います。

その過程で贈与等の申告漏れを見つけ出します。

 

1.相続時

相続が発生すると、相続人間の平等性を保つために、遺された財産が不正に利用されていないか、正しい申告がされているか、また、申告の漏れがないかについて、税務署は税務調査を行います。

銀行口座の履歴などを細かく調査されますので、この際に不審な金銭の動きがあれば疑われてしまうでしょう。

 

2.不動産登記時

不動産を相続した、もしくは購入した場合、不動産登記の手続きを行う必要があります。

こちらの手続きは法務局の担当ですが、情報は税務署にも共有されます。

この情報を基に、税務署は調査のため“不動産購入のお尋ね”という書類を送付します。

法的強制力はありませんが、回答しないことによって不信感が高まった結果、直接職員が調査に出向く可能性があります。

 

金銭の移動については徹底した調査が行われますので、無申告を隠し通すことはできません。万が一バレてしまった場合はペナルティが課せられることとなります。

いくらか遅延したとしても、早めに“自主申告”するようにしましょう。

 

5.おわりに

贈与税の申告・納税義務は、贈与を受けた側に発生します。

財産を受け取ったら、期限内に税務署へ申告しましょう。申告の遅れや、贈与の事実を隠ぺいしていると、重大なペナルティが発生することもあります。

 

贈与税の、申告・納税には期限があります。

必要書類の取り寄せや制度利用の検討などに時間がかかる可能性もありますので、早めの行動を心がけましょう。

 

◆◆◆

ティグレでは相続に関するアドバイスを行っています。

お問合せフォーム、またはお電話にてお気軽にお問合せください。

 

⇒お問合せフォームはこちら

 

⇒お電話の場合は

フリーダイヤル: 0120-54-1090

◆◆◆

 

関連するティグレのサービス:相続税や相続の相談

おすすめ記事