相続税対策に関係してくる非線引き区域とは
本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。
非線引き区域とは何でしょうか?
非線引き区域にある土地の相続税評価は、他の土地と異なるといわれています。
なかなか聞くことがない、この非線引き区域という言葉の意味や、相続税との関係について、こちらの記事ではご説明してまいります。
目次
1.非線引き区域とは
非線引き区域とは、市街化調整区域でも市街化区域でもない都市計画区域のことです。
法律上は、「区域区分が定められていない都市計画区域」という名称で呼ばれます。
市街化調整区域と市街化区域の区分を線引きと呼ぶため、このどちらにも属さない「区域区分が定められていない都市計画区域」のことを、非線引き区域と呼ぶのです。
また、未線引き区域という呼称で呼ばれていたこともありますが、この呼称は2000年の都市計画法の改正により廃止されています。
大きな都市の都市計画区域は、必ず市街化調整区域か市街化区域のどちらかに線引きされます。
ただ、その他の都市では、必ずどちらかに線引きしなければならないという決まりがないため、非線引き区域が存在するのです。
2.非線引き区域のメリット・デメリット
非線引き区域のメリットとデメリットについて、以下でご説明します。
非線引き区域のメリット
非線引き区域のメリットは、市街化調整区域や市街化区域より、制限が緩いということです。
この土地は、比較的自由に利用することができます。
ただ、注意しなければならないのは、一部用途地域が指定されていることがあるということです。
建物の建築が規制されていて、家を建てることができないということもありますので、注意するようにしましょう。
非線引き区域のデメリット
非線引き区域は制限が緩いということは、そのままデメリットにもなります。
水道や電気のようなインフラが整備されないこともありますし、迷惑施設が建つこともあります。
市街化調整区域や市街化区域では気にしなくてもよかった問題が出てきてしまうことが、非線引き区域のデメリットです。
ただ、場所によっては、市街化が進み、市街化調整区域や市街化区域に線引きされることもあります。
3.非線引き区域にある土地の評価方法とは
相続税の土地評価の際、この区域にある土地をどのように評価するかは定められていません。
そのため、その土地ごとの実情に見合った方法で、土地の評価をする必要があります。
その土地が、倍率地域にあれば倍率方式で、路線価があれば路線価方式で評価することになります。
非線引き区域にある土地の相続税の土地評価方法は定められていないため、この方法になることは、ぜひ覚えておきましょう。
4.路線価方式と倍率方式
非線引き区域にある土地の相続税評価をするために、覚えておきたい「路線価方式」と「倍率方式」。
路線価方式
路線価とは、路線=道路に面している宅地1㎡あたりの価額のことです。
路線価方式とは、路線価が定められている土地の相続税評価をする方法のことです。
道路との接し方や土地の形状によって、評価に補正がかかってくることが、特徴です。
その土地の奥行や形、間口の広さなどを見て、各種補正を行うのです。
倍率方式
路線価が定められていない土地は、倍率方式で評価されます。
倍率方式の土地の価額を出すには、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じる必要があります。
のちほど、財産評価基準書を見て、倍率をチェックしましょう。
固定資産税評価額に、その倍率を乗じたものがその土地の評価の概算です。
5.おわりに
非線引き区域とは、市街化調整区域でも市街化区域でもない都市計画区域のことです。
相続税評価をする際、非線引き区域にある土地は、これら2つの都市計画区域とは異なる評価方法で評価されます。
相続税について考えるうえで、この「非線引き区域」についても知っておくと良いでしょう。
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