財産評価基本通達について解説します

本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。

 

相続の時、遺産は相続人の間で公平に分割しなければなりません。

遺された財産の中には、不動産や貴金属、保険金や有価証券など金銭以外のものが含まれています。

そのため、分割前にはこれらが金銭的にいくらの価値を有するものかを調査し、国によって定められた特定の方法に従って判断する作業が必要となります。

 

本記事では、相続時に必要となる“財産評価基本通達”について簡潔に解説していきます。

 

 

目次

1.財産評価基本通達とは

2.気になる相続財産の評価方法とは

3.財産評価基本通達の評価と時価のかい離について

4.税理士に相談してみよう

5.おわりに

 

財産評価基本通達について解説します

 

1.財産評価基本通達とは

“財産評価基本通達”とは冒頭の通り、金銭以外の財産についてどれほどの価値を有するかを評価するため、国税庁により定められている方法です。

不動産や株式など、財産の種類によって詳細に方法が決められており、これを行うにはさまざまな知識を必要とします。

相続時に用いられる他、非上場株式の評価にも触れているため、企業間の株式移動や合併の参考にされることがあります。

 

2.気になる相続財産の評価方法とは

相続財産の評価方法は財産の種類によって異なりますが、いずれも国税庁ホームページから確認が可能です。

ここでは、それぞれの方法について簡潔にご紹介します。

 

株式の場合

上場であるか、非上場であるかで基本通達の際の評価方法が分けられます。

上場株式である場合、

 

1.相続発生日の最終価格

2.相続発生月の最終価格平均

3.相続発生前月の最終価格平均

4.相続発生前々月の最終価格平均

 

上記、いずれかの最も低い取引価格を評価額とします。

 

非上場株式の場合、その株式を発行する会社の資産状況や業績により評価額が異なります。

評価方法については詳細に規定されています。

 

土地の場合

土地に面している道路に路線価がつけられているかどうかで評価方法が異なります。

路線価がつけられている場合、“路線価方式”と呼ばれる計算式を用いて評価額を算出します。

 

そうで無い場合は、“倍率方式”を用いることになります。

土地の場合、土地の形状(形が歪か否か、土地内に他者の物件が建っているか)や使用状況(第三者が使用していたか、賃貸物件として利用していたか)など、条件がさまざまにあります。

 

保険金や退職金の場合

保険金や死亡保険は法律的には相続財産として含まれません。

しかし、相続税が課せられるため、財産評価基本通達により、その価値を算出する必要性があります。

 

3.財産評価基本通達の評価と時価のかい離について

財産の価値は時価によって変動します。

財産評価基本通達には時価が存在します。

しかし、複数の人間が関わる自由な取引の中で取得した財産は、この時価と評価がかい離する場合があります。

 

例えば、不動産のとある部屋だけを購入していた場合、その部屋の購入額と相続財産基本通達から算出された時価とでは、大きな違いが生じる可能性があるのです。

かい離が発生すると、相続税の適切な課税に影響を与えるため注意が必要です。

 

4.税理士に相談してみよう

このように、財産評価基本通達によって各種財産の基準は定められています。

しかし、知識の不十分な素人では、正しく評価することは非常に難しいでしょう。

財産価値を調査したい場合は、専門知識の豊富な税理士に相談することをおすすめします。

税理士によって評価額が変動するため、過去の実績などを参考にして相談する税理士を見極めることが大切です。

 

5.おわりに

財産を相続する場合、それぞれの法定相続人へ適切に配分しなければいけません。

しかし、相続財産の中に不動産など金銭として遺されていないものが含まれている場合、それぞれの財産が金銭的にどれほどの価値を有しているのか評価する必要が出てきます。

これを評価するためには、国税庁により定められた“財産評価基本通達”を用います。

 

相続発生時に必要になるとはいえ、素人が行うには非常に難しい行程になるので実績のある税理士に相談しましょう。

 

 

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