親族と財産の話をするのはどのタイミング?

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~相続で大切な「財産評価のこと」そして「親に財産の話を切り出すタイミング」について~

 

親が高齢になり、相続をこれから控えている相続人の皆様。

「親の財産がよくわからない」「どのように話を切り出せばいいの?」といったお悩みはないでしょうか?

 

スムーズに相続のお話を進めるには、いくつかポイントがあります。

今回は、相続で大切な「財産評価のこと」そして「親に財産の話を切り出すタイミング」についてお話します。

 

 

目次

1.相続対策では「財産評価」が肝心です

2.財産の種類について

3.財産評価とは?

4.財産評価をするメリットは?

5.親に財産の話を切り出すタイミングはいつ?

6.相続で争わないためにも財産評価は有効です

 

親族と財産の話をするのはどのタイミング?

 

1.相続対策では「財産評価」が肝心です

相続対策には4つの大切なポイントがあります。

①争続対策

②税務対策(節税対策)

③納税対策

最近もう1つ ④認知症対策 が加わりました。

 

この4つの対策のうちいずれかを始めるにしても、まずは相続税がかかる「財産」を把握しないことには対策を考えることができません。つまり、財産評価を優先して行うことが大切と言えます。

 

2.財産の種類について

相続税の対象となる財産は

「本来の相続財産」

「生前の贈与財産」

「みなし相続財産」

の3つに分類されます。

 

「本来の相続財産」・・・相続人による遺産分割の対象となる財産のことです。

 

「生前の贈与財産」・・・相続により財産を取得した者が、相続の開始日から遡って3年以内に取得した被相続人からの贈与財産及び相続時精算課税の適用を受けた財産のことです。これらの財産はすでに被相続人の所有から外れていますが、相続税の計算上は本来の相続財産に上乗せします。

 

「 みなし相続財産」・・・本来的に被相続人の財産ではありませんが、相続税の計算上はこれを相続財産とみなして本来の相続財産に上乗せする財産のことです。例えば死亡保険金、死亡退職金などがこの分類に属します。

 

財産には、プラスの財産とマイナスの財産、非課税財産があります。プラスの財産の主なものは、土地、建物、現預金、自社株、書画骨董など、マイナスの財産の主なものは、借入金、未払いの医療費、葬儀費用などです。そして非課税財産には、お墓、香典、国などに寄付した財産などがあります。

 

親族と財産の話をするのはどのタイミング?

 

3.財産評価とは?

遺産分割は、財産の時価(世間相場)をもとに行います。しかし相続税の申告は、時価ではなく相続税評価額をもとに行います。

 

◆土地評価◆

土地の評価は、以下の①②によって行います。

 

①  路線価方式…毎年国税庁が作成する路線価図によって土地を評価(路線価×面積)します。

 

②  倍率方式…都市郊外の地域で路線価が定められていない地域で採用されます。地域ごとに定められている倍率表に基づいて土地を評価(固定資産税評価額×倍率)します。時価のおよそ8割と言われています。

 

※土地の評価では、評価減の特例もあります。

 

◆建物評価◆

建物の評価方法には、以下のような基準があります。

 

自用家屋・・・固定資産税評価額×1.0

貸家・・・自用家屋の価格×(1-借家権割合)

 

時価の6割前後、マンションの場合は時価の5割前後と言われています。

 

 

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4.財産評価をするメリットは?

①  事前に納税資金の準備ができる

現金が少なく土地や建物が多い場合は、申告時(相続開始の翌日から10か月以内)の税金一括納付が困難になることが多いです。事前の準備で慌てないようにしましょう。

 

②  全体像の把握ができる

誰に何を相続させるのか?相続人それぞれ事情が異なります。財産の全体像を把握した上で話を進め、トラブルが起こらないようにしましょう。

 

③  計画的な準備ができる

申告期限まで時間があるようで実はない、といった感想をよく聞きます。早めの財産評価で節税対策や、納得のいく相続申告の準備を行いましょう。

 

5.親に財産の話を切り出すタイミングはいつ?

親子や親族の間で、金銭がからむ財産のお話はなかなか言い出しにくいと思います。

しかし、だからといって後回しにしてしまうと、いざ相続が発生した時に準備不足で慌てる、納得のいく相続や申告ができなくなるといったことも起こりえます。

 

親あるいは親族やご自身の年齢・健康状態などを考慮し、できることなら相続に関わる皆さんがしっかりとした判断ができるうちから準備を進めてください。

 

そして、どのようにして財産の話を親に切り出すのか、それも大切です。

ポイントは3つです。

 

①  親の本音を理解する。

「自分の老後が心配、それをだれか分かってほしい。」特に親と離れて暮らしている子供は、まずこの親の気持ちを理解することが大切です。親は相続や自分の死後のことよりも、「寝たきりになったら?」「認知症になったら?」など、実は「自分が今後どのように生きていけるのか?」不安を感じていることも多いです。どう一緒に寄り添って生きていくか「必死で生きようとしている親」とじっくり向き合って話すことから始めることです。

 

②  親の人生・歴史を聞いて興味を持つ。

「何歳でこの自宅建てたの?」「私の名前の由来は?」ほか、家系図やご先祖様の話題、両親の出会い、子育ての苦労話、どんな思いで戦後を生き抜いてきたのか・・・こんな話が家族のコミュニケーションの輪を広げ、相続の話のきっかけにもなります。親の人生を知り、そして今後を一緒に考える姿勢が大切です。

 

③  「私が困る!」なんて絶対言わない。

くれぐれも「財産は何があるの?」などと聞かないことです。「寂しくなる」「健康に気を付けて長生きしてほしい」などの気持ちを改めて伝えることで、お互いの理解を深めるところから始めましょう。

 

これらを親に伝えてみてください。そこがスタートです。

 

6.相続で争わないためにも財産評価は有効です

相続人の間で揉めるケースも増えています。特に次のようなケースにはご注意ください。

 

①  財産の内容が不明

兄が使い込んでいる?もっと現金が多かったはず。など、相続人の間で疑心暗鬼が生まれます。

 

②  遺産が不動産のみ、あるいは大半が不動産

不動産は単純に分割が難しいです。

 

これら揉める要因をクリアするには、やはり財産の全体像の把握が大切です。トラブル回避のためにも早めの財産評価をお勧めします。

 

 

 

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