相続税の納税準備大全 すべてお教えします!
本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。
相続税の納税は、相続が発生する前から事前に準備をしておくことも可能です。
本記事では、相続税の納税準備についてご説明いたします。
目次
1.発生前から事前に対策をしておこう
相続税の税金が発生してから慌てて行動することのないように、事前に対策をすすめていると安心して納税に臨むことが可能になります。
生前贈与の活用
110万円を下回る贈与に関しては課税されることがありません。
そのため、生前贈与をすることで不要な相続税の発生を抑えることができるのです。
また、贈与を受ける側からすると、生前贈与で受け取った資産を贈与税の納税資金にあてることもできるため、有効な方法だと言えるでしょう。
納税準備預金口座の開設
「納税準備預金」という口座を金融機関では開設することができるのです。
この納税準備預金は他の預金と比べた違いがあります。
普通口座の預金は、その利息に所得税がかかりますが、納税準備預金に関してはこの所得税が非課税となっています。
この際の所得税率は通常20.315%と低いものではございませんので、この税金を免除されることは大きいでしょう。
生命保険への加入
被相続人の口座は相続発生時には凍結されており、その解除のための手続きが必要です。
相続税にあてるにも凍結されていてはその資産を活用することができません。
しかし、生命保険に加入していれば相続発生時に保険金をすぐに受け取ることができるため、その受け取った金額を相続税の支払いに充てることができるのです。
2.知っておきたい相続税の税率
相続税の税率は累進課税制度をとっています。
その最高税率は55%で、最大で相続額の半分以上を納税する必要があるのです。
税率は相続した金額により異なり、また控除額に関しても同様に変わってきます。
その内容は以下の通りです。
相続金額 税率 控除額
6億円以下 50% 4,200万円
3億円以下 45% 2,700万円
2億円以下 40% 1,700万円
1億円以下 30% 700万円
5,000万円以下 20% 200万円
3,000万円以下 15% 50万円
1,000万円以下 10% なし
3.納税資金の準備の要・不要の確認方法
相続発生までに準備が十分に出来ていなかった場合、納税資金が足りるかどうかを確認する必要があるのです。
足りなかった場合は、それからでもなるべく早く納税資金を準備する必要があります。
相続税が支払えるかどうかの簡単な確認方法としては、「(納税資金/相続税)×100」が100%を上回るか下回るかで判断する方法があります。
納税資金が足りるか足りないかがわかれば早めの行動をとることができるようになります。
4.相続発生後に納税資金を準備する方法
相続発生後に、納税資金を準備する方法としてはどのような方法があるのでしょうか?
資産の売却
相続した資産を売却することにより納税資金を準備する方法があります。
この際の注意点は、相続税の納付期限が定まっているため、それまでに資産の売却を行わなければならないということです。
不動産など売却までに時間のかかる資産の場合、資産の売却が間に合わないこともありますので、この手段をとる際にはその可能性を視野に入れたうえで行動しておくようにしましょう。
金融機関からの借入を行う
金融機関からの借入を行うという方法もあります。
後述いたしますが、現金での一括納付を基本とする相続税も一括納付が難しい場合の救済策として延納制度を用意しています。
しかし、延納の選択をした際には、利子税がかかってきます。
金融機関からの借り入れと延納のどちらを選ぶかはどちらの利子が安いかで判断すると良いでしょう。
延納
相続税は、現金での一括納付が出来ない場合の救済策として延納制度を用意しております。
相続税の分割納付ができる制度ですが、利用には条件があったり、利用できても利子税という税金が別途かかってきたりしますので、延納の利用時には金融機関からの借り入れを行うのとどちらが良いのかを選択すると良いでしょう。
5.おわりに
相続税の納税準備についてご説明いたしました。
相続税の納税にあたっては、事前に準備をしっかりとしておくことで安心して納税に臨むことができます。
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