【利益を守る】税務申告でリスク回避

本記事は、執筆時の情報を元に掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございますので、ご注意ください。

 

プロ野球の日本シリーズで輝いたのは「守り」でした。広島カープの機動力野球を完全に封じた福岡ソフトバンクの甲斐捕手のキャノン、素晴らしかったですね。今回はこの「守り」を事業経営に当てはめた、

 

利益を守るための税務申告

について取り上げます。

 

◆ワクワクすることではないけれど…

税務申告とは支払うべき税金の額を確定させることです。もちろん、お金がもらえるわけではなく、得することはありません。

 

申告の結果「還付」になる場合も当然あります。でもそれは源泉徴収等で税金を前払いしていた分に関して返金されるもので、得をしている訳ではありません。

 

ですから、私達が皆様に「税務申告が重要ですよ」とお伝えする際にも、「申告するとこんなにいいことがありますよ」ではなく、「申告しないと大変なことになりますよ」となってしまうのです。

 

こういうことですから、まったくワクワクしないですよね。しかしきちんとした税務申告こそ、企業の利益を守り、信頼も保つことで次の仕事へも役立つのです。

 

◆しっかり税務申告しないと損ばかり

しっかりと申告を行っていないと、いざ税務調査となった場合、本当に困ることになりかねません。ざっと言えばこんなリスクがあります。

 

〇税務調査の対象期間は通常3年分ですが、申告内容で指摘を受けた結果、これを5年分、7年分と調査されて多額の税金を納めないといけなくなることも…。

〇税務申告の必要があるにも関わらず、「申告しなくても大丈夫だろう」という安易な気持ちで税申告していなかった結果、これも多額の税金を納めることになったり…。

 

結局、税務調査のリスクとして、税を納める側の考え方が受け入れてもらえないことが挙げられ、結果的には損することばかりです。

 

事業をしながら、いつも頭の片隅にそんな心配事があるなんて嫌ですよね。だから指摘を受けないようにしたほうがいいのです。

 

◆リスクを避ける方法は

個人事業主の方や法人は、端的には「利益」に所得税や法人税がかかります。消費税も関係します。

 

これらの計算をするために最も基本的なことは、

帳簿をつけることです。

利益計算はしっかりとした帳簿なしにはできません。

 

営業を事業の「攻め」と捉えれば、記帳や税務申告は事業の「守り」といえるでしょう。ただし、甲斐捕手のような「かっこいい」守りではありません。むしろ基礎トレーニングのようなものかもしれません。

 

しかし基礎的なことをきちんとする、この「守り」こそが、リスク回避におススメの方法です。年の瀬を機会に、事業についても特に基礎体力を見直してはいかがでしょうか。

 

(税理士法人ティグレパートナーズ東京 中村哲平)

 

 

関連するティグレのサービス:記帳と申告・税務相談 税務署の調査や対応が心配 記帳業務を軽減したい

おすすめ記事