貴社の経営課題を分析し、早期解決に導きます
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売り上げが伸びなくなったが、要因がわからず対策の打ちようがない。そんな悩みを持っている経営者に勧めたいのが、国の助成が受けられる「早期経営改善計画策定支援」の活用です。
ティグレの担当者が経営状況をじっくりヒアリングし、会社の強みと弱みを客観的に分析し、ともに改善策を考え、実践に移すまで伴走します。制度の概要と実際の活用事例を紹介します。
早めに手を打ち伴走しながらフォロー
早期経営改善計画策定支援は、中小企業が、国が認める専門家の支援を受けて経営改善計画を策定する場合、専門家に対する支払費用の3分の2を補助する制度です。
以前にあった経営改善計画策定支援は、資金繰りが行き詰まった企業を対象にしていましたが、経営が健全な状態にあるうちにリスクの芽を早めに摘み、収益改善につなげようという狙いで設けられました。今回お話を伺った税理士法人ティグレパートナーズ徳島の担当者は、「計画をメインバンクに提出することで初めて支援が受けられるため、金融機関からの理解も得ながら計画を進めることができ、計画策定から1年間は進捗状況を私たちがフォローアップするので伴走しながら支援を受けられることができます」と制度の特長を説明します。
計画の策定に当たってはまずティグレの担当者が経営者と面談し、事業の収支の流れ、ビジネスモデルを俯瞰し、また過去の資金繰り表などを参考にしながら、経営者が普段気づいていない問題点などを引き出すことで課題を深掘りしていきます。そのうえで、強み、弱み、機会、脅威を把握するSWOT 分析、顧客・市場、競合、自社の状況から課題を見出す3C 分析などの手法を使った客観的な分析を踏まえ、アクションプランを策定。その後も話し合いを重ねながら、経営者が計画を実行できるレベルまで改良を加え、実践に移していきます。
客観的なデータに基づき効果のある対策を
実際に支援を行った企業の事例を紹介します。
1社目は、徳島県で郊外型レストランを運営するA 社です。都心から郊外の広い場所へ店舗を移転したところへコロナ禍が直撃し、売り上げが徐々に下がっていました。分析の結果、
①顧客ターゲットが定まっていない
②原価率が業界平均の30%と比べ45%と格段に高い
③コロナ禍で密を避けられる広いスペースが活かされていない
といった課題が明らかになりました。
①については、町の年代別の人口分布をもとに人口の多い30代の子育て層を狙うためにキッズスペースを設け、また、将来的にはシニア層をターゲットにしたバリアフリーにも取り組んでいくこととしました。
②については、原価率30%へ徐々に近づけていく目標を立て、メニュー価格の見直しを行うとともに、廃棄ロスの管理も徹底しました。
③については、法人客など団体需要の掘り起こしを行うことにしました。
「特に原価率については客観的なデータを提示したことによる説得力が功を奏し、積極的に原価率低減に取り組んだことにより成果が表れています」と担当者は語ります。
策定を機に芽生える経営者の危機意識をばねに
もう1社は、木造建築を得意とする建設業のB 社です。7年前に先代から経営を引き継いだ現社長ですが、木造建築のみを手掛けていることから年々受注が減少していました。ヒアリングと分析の結果、
①新規顧客へのアプローチがほとんどできていない
②価格競争に巻き込まれ、常に安い見積もりを出すことで受注を獲得しようとしていた
③先代の時代から働いている職人とのコミュニケーションが取れていなかった
という課題が浮き彫りになりました。
①については、ホームページを刷新し施工事例の紹介を載せるとともに、SNSによる情報発信を増やし、社長の思いを載せ、人としての魅力が伝わるようにしました。
②については、原価に10%しか乗せられていなかった見積額について、技術力をアピールすることによ
り25%乗せることを目標にしました。
③については、職人とのコミュニケーションの機会を増やし、外注に依頼していた工事の内製化率を高めていくことにしました。
「計画策定を機に社長が自ら役員報酬を削減するなど危機感をもって施策に取り組んでいます」と担当者は策定の効果を語ります。
「国の制度でこうしたコンサルティングまで助成されることはめずらしく、自身の経営を客観的に見直し改善していく契機にしてほしい」とティグレパートナーズの担当者は呼び掛けています。