質的な判断基準となるのが「週20時間」という勤務要件です。社会保険料の自己負担を避けたい従業員が、週20時間未満に労働時間を抑えようとする可能性は十分に想定されます。経営者にとっては、社会保険の加入対象者が増えれば事業者負担が増える一方で、従業員が勤務時間を抑えればシフト編成が組みにくくなるというジレンマが出てきます。どちらにしても現場への影響は小さくありません。早めに従業員の意向を把握し、労働時間設計を整えておくことが重要です。 社会保険の適用対象者が増えれば、事業者の負担増は避けられません。まずは、自社に週20時間以上勤務しているパート・アルバイトが何人いるかを把握し、追加負担額を概算した上で、シフト設計や雇用契約の見直しに取り組んでみてください。地道な作業ですが、施行後の混乱を最小限に抑えるための備えになります。なお、従業員が少ない小規模事※施行時期や具体的な適用範囲は、今後の法令や政令により最終的に確定します。最新情報は厚生労働省・日本年金機構の公表資料でご確認ください。9 業者への影響が本格化するのは、企業規模要件の段階的撤廃が進んだ後になる見込みです。社会保険に加入できる職場は採用面でプラスに働く場面もありますが、一方で手取り額の減少を懸念する従業員もいます。どちらにしても、従業員への丁寧な説明とコミュニケーションを心がけることが大切です。※個人事業所の適用拡大は2029年10月から開始されますが、農林水産業・サービス業など現行法で非適用となっている業種については、施行時点ですでに存在している事業所は当分の間、適用除外とする経過措置が設けられています。※学生の取り扱い: 学校教育法に規定する学生は、本制度の適用拡大においても基本的に適用除外となる見込み。パート・アルバイトの採用時には、学生か否かの確認を必ず行ってください。まずここから始めようまずここから始めようたいこと施行前に整理しておき予定時期チェックリストポイント図1 改正の予定時期とポイント図1 改正の予定時期とポイント2026年10月以降(見込み)2027年10月以降2029年10月以降2032年10月以降2035年10月以降週20時間以上勤務のパート・アルバイト全員を リストアップし、対象人数と追加コストの概算を把握するシフトと雇用契約書を見直し、所定労働時間が「週20時間」前後にある従業員の契約内容を実態と照合する給与計算システムが社会保険の適用拡大による新算定に対応できるかベンダーに確認する就業規則の社会保険条項を最新の制度に合わせて改定する従業員への説明の機会を設ける。手取り額減少への不安が広がると離職リスクにつながるおそれもあるため、傷病手当金や将来の年金増額などのメリットも合わせて丁寧に伝える賃金要件(106万円の壁)の撤廃年収を問わず週20時間以上の勤務で社会保険の加入対象となるケースが広がる見込み企業規模要件の段階的撤廃開始 36〜50人の企業が対象に21〜35人の企業が対象に 個人事業所の適用対象も拡大11〜20人の企業が対象に1〜10人の企業まで拡大 企業規模要件が実質消滅
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