近年では腸内環境と肌の関係についての研究が盛んに報告されており、例えば「便秘が続くと肌が荒れる」といった体験談も、エビデンスで示されるようになりつつあります。腸内では、食べたものをもとにさまざまな物質がつくられています。その中には、体に有用に働くものもあれば、増えすぎることで好ましくない影響を及ぼすものもあります。ある報告では、腸内でつくられるフェノール類という代謝産物が増えると、角層水分量の低下や角層状態の乱れと関連する可能性が示されています。角層は、肌のいちばん外側にあり、水分を保ち、外部刺激から肌を守る大切な部分です。そのため、角層の状態が乱れると、乾燥感やくすみ感につながりやすくなるのです。肌の不調を感じたときは、化粧品を見直すだけでなく、食事や腸内環境にも目を向けてみるとよいでしょう。腸内環境を整えるためにまず意識したいのが、食物繊維を含む食品を日々の食事に取り入れることです。食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、腸内環境を支えるうえで大切な成分で、野菜、海藻、きのこ、豆類、穀類などに多く含まれます。外食が多い日でも、野菜の小鉢を追加する、味噌汁にわかめやきのこを入れる、白米を雑穀米に変えるなど、「一品足す」意識から始めると続けやすくなります。ヨーグルト、納豆、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品も、腸内環境を意識した食生活に取り入れやすい食品です。朝食にヨーグルトを足す、夕食に納豆を一品加える、味噌汁を飲むなど、普段の食事に自然なかたちで取り入れてみましょう。腸内細菌の働きを支える食品として、オリゴ糖を含む食品も有効です。オリゴ糖は、腸内細菌のエサとなる成分のひとつ。玉ねぎ、ごぼう、大豆、バナナなどに含まれており、日々の食事にも取り入れやすい食品です。例えば、味噌汁に玉ねぎを入れる、煮物にごぼうを使う、朝食にバナナを加えるなど、小さな工夫から始めることができます。ものではありません。大切なのは、短期間で劇的な変化を求めるのではなく、無理なく続けられる習慣を積み重ねることです。まずは2~3週間ほど、食物繊維や発酵食品を少し意識しながら、便通、肌の乾燥感、くすみ感、体調の変化を観察してみましょう。を映す鏡でもあります。スキンケアで肌表面を整えながら、食生活や腸内環境にも目を向け、健やかな肌と心身のコンディションを整えていきましょう。腸内環境は、一日で大きく変わる肌は、体の内側のコンディション1.食物繊維を「一品足す」2. 発酵食品を無理なく取り入れる3. オリゴ糖を含む食品を意識する4. 2〜3週間、変化を観察する腸と肌は、つながっている肌のための腸内ケア「腸内環境と肌」PROFILE一般社団法人美容科学ラボ代表理事。物質工学修士。専門学校講師やオンラインサロン運営、美容メディア監修、SNS発信を通じて「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に努める。MAQUIA(集英社)、an・an(マガジンハウス)、『世界はデータでできている』(TV東京)などメディアに多数出演。33肌の調子を整えるために、まずスキンケアを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。洗顔、保湿、紫外線対策など、外側からのケアは肌のコンディション維持に欠かせない要素です。一方で、肌は体の器官の一部であり、内側の状態とも深く関わっています。中でも近年注目されているのが、腸内環境と肌の関係です。第20回理系美容家 箱崎 かおり
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