理想の店づくりに向け、試行錯誤を重ねる3店目は、さらに大きな舞台で2店舗の経営が軌道に乗った先にさんだが、自身の考えがすぐに客の反応として現れる接客業にやりがいを覚えるようになり、気づけば腰を据えていた。特に力を入れたのはワインの品ぞろえだ。「もともと好きだったこともあり、知り合いの酒販店の方から学びながら、お店のおすすめと私の好みを軸に増やしていきました」と語り、現在は常時30本ほどをそろえている。また、年に2回は料理とワインのマリアージュを楽しむイベントも開催しており、ワインとそれに合う料理を目当てにやってくるターゲット層を開拓することで、店のブランディングを図っている。里砂さんがもう一つ力を入れていることがある。それは、飲食業界のイメージを変えることだ。「飲食業界は大変な仕事であるにもかかわらず、それに見合った対価が得られないのが現状。そこを変えていきたい」と思いを語る。目指す姿は「働く人の満足度を上げながら、サービスを充実させ、単価を上げていくことで給与を上げる、という好循環を築くこと」だという。採用面接では人間性を重視し、1人1時間かけてじっくり対話を行う。「こんなこともできる、こういう仕事をしたい、という思いよりも、これまでどんな思いでどんなふうに生きてきたかを伺っています。接客業には明るく元気な人ももちろん大切ですが、そこにとらわれず、さまざまなタイプの人を採用することで新たな魅力を店に加えていきたい」と語る。特に昨年は、接客に充てる人を増やし、一人ひとりの客に丁寧に対応できる体制を整えた。「個性がそれぞれ違うので、どこでその人らしさが生きるのか。スタッフ同士お互いの良いところを認め合ってほしいとも考えています」。人材業界に身を置いていた里砂さんらしい試行錯誤を重ねながら、理想の店へ近づけようとしている。2人が見据えるのは3店目だ。「より大きな舞台で自分たちの力を試してみたいという思いもある」と、俊也さんは、将来は福岡に店を出したいという目標も語ってくれた。店名の「ヒーザン」は、一時はプロミュージシャンを目指していたほど音楽好きな俊也さんが、デヴィッド・ボウイが9・11テロ事件後の2002年に出したアルバムタイトルにちなんで名付けた。「ヒーザン」には「異教徒」「未開の」という意味があり、不確かな未来をどう生きていくかという問いかけが根底にある。見えない将来を手探りで切り開いていく2人の活躍の舞台はさらに広がりそうだ。タケマチヒーザン料理長(左)のアイデアを取り入れ、多国籍料理を提供3店目の構想も描く俊也さん23人気メニューのスペインコース事業内容 / 飲食業〒890-0053鹿児島県鹿児島市中央町7-3TEL:050-1489-9848https://www.instagram.com/takemachiheathen/
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