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pH(水素イオン指数)は、温泉が酸性・中性・アルカリ性のどれに近いかを示す数字です。pH7が中性で、それより低いと酸性、高いとアルカリ性になります。数字が7から離れるほど、その性質は強くなります。酸性の温泉は刺激を感じやすい一方で、殺菌力が強いことが特徴です。肌が敏感な人や乾燥しやすい人は、しみるように感じることもあります。一方、アルカリ性の温泉は古い角質をやわらかくし、入浴後にツルツル、すべすべとした感触につながります。いわゆる“美肌の湯”と呼ばれるのはこのためです。ただし、角質は肌のバリア機能にも関わるため、入り方によっては乾燥しやすくなることもあります。中性の温泉は比較的作用が穏やかで、刺激を感じにくい傾向があります。温泉分析書には「低張性・等張性・高張性」と書かれていることがあります。これは、温泉に溶けている成分量の違いを示す分類です。低張性は比較的成分量が少なく、等張性から高張性になるほど成分量が多いと考えましょう。低張性の温泉は比較的あっさり入りやすく、等張性や高張性の温泉は成分が豊富で、泉質によってはより温泉らしい入り心地を感じやすくなります。温泉分析書に浸透圧の表示があったら、「この温泉は成分が濃いタイプなのか、比較的マイルドなタイプなのか」がわかります。温泉分析書では、適応症や禁忌症も重要です。温泉には一般的適応症と泉質ごとの適応症がある一方で、体調や持病、肌状態によっては注意が必要な場合もあります。たとえば、刺激を感じやすい泉質は敏感肌の人には負担になることもありますし、体調がすぐれないときには長湯を避けたほうがよいこともあります。効能だけを見るのではなく、自分に合うかどうかまで含めて分析書を読むことが大切です。ますが、見るべきポイントは意外とシンプル。肌あたりを知りたいならpH、温泉の濃さを知りたいなら浸透圧、自分に合うかを知りたいなら適応症。これらを押さえるだけでも、温泉選びはぐっとわかりやすくなります。なんとなく選んでいた温泉も、分析書を見ながら入ると、楽しみ方が少し変わってきますよ。温泉分析書は一見むずかしく見えpHは「肌あたり」の目安浸透圧は「温泉の濃さ」の目安温泉選びは分析書を見るだけで変わる適応症は「自分に合うか」を見る「温泉の選び方」PROFILE一般社団法人美容科学ラボ代表理事。物質工学修士。専門学校講師やオンラインサロン運営、美容メディア監修、SNS発信を通じて「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に努める。MAQUIA(集英社)、an・an(マガジンハウス)、『世界はデータでできている』(TV東京)などメディアに多数出演。 13脱衣所などに掲示されている温泉分析書を見ると、その温泉の特徴がよくわかります。温泉を選ぶときは、「有名だから」「気持ちよさそうだから」だけでなく、特に確認したいのは、pH、浸透圧、そして泉質ごとの適応症。泉質によって特徴が異なるので注意が必要です。第19回理系美容家 箱崎 かおり

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