という現状を把握しておかないといます。生産量が増えるにつれて頭を悩ませ始めたのが規格外品の廃棄問題でした。そこで、2024年に小学校の廃校跡地を利用して、大阪の調理器メーカーと共同で、規格外の野菜や魚を調理できる食品加工場を設立。過熱水蒸気を使って栄養分を逃すことなく野菜を調理できる強みを生かして、さまざまな冷凍野菜や惣菜に加工しています。惣菜については小分けして企業の社員食堂で福利農業に従事し始めてから17年が経った鎌田さん。「食べるものにも困っていた1年目の頃はおにぎりを差し入れてくれたりトラクターを貸してくれたりした人もいました。何よりも地域の方々に野菜を買っていただいたことで今の私があります。だから、地域に恩返しをしていかないといけません」厚生の一環として提供し、従業員が1品100円で購入できるようにしました。すでに120社と契約済みで、3年以内に1000社まで拡大する計画です。そのままでは販売しにくい規格外の野菜に、加工品としての付加価値をつけてマーケットを広げる6次産業化への取組みは、「儲かる農業」へとつながる大きな可能性を秘めています。と鎌田さん。その言葉通り、地域の子どもたちに柔道を指導しているほか、食品加工を行っている廃校の運動場と体育館を少年野球チームに開放しています。また、土壌内の微生物に撒くエサを確保するためにひまわりを植えていたところ、いつしか多くの人が見学に訪れるようになり、今では観光名所として観光バスがやってくるまでになりました。「将来、一度指宿を離れた子どもたちが戻ってきたいと思った時に働ける場所を増やしておきたい」と鎌田さん。そのまなざしは、支えられ、支えてきた仲間、そして自分が育ち、育てられた地域に真っすぐ向けられています。直近では神奈川の農場へのコンサルティングも始めました。日本の農業を発展させていくために何が必要かについて、鎌田さんは次のように語ります。国に対しては「野菜が不作になった時に、すぐに輸入に頼るのではなく、どの産地でどれくらい生産しているのかだぶついてしまいます。日本の農家が育つように考えるのも国の仕事です」と指摘します。一方で、生産者に対しても覚悟を求めます。「近年は各自治体が新規就農者のための補助金を手厚くしています。ただ、収入が一定額を超えると補助金が打ち切りになるため、その範囲でこぢんまりと続ける人が多い。そうではなく、発展の基盤づくりのために補助金を活用し、農業を成長させていってほしい」。地に足をつけ、どうすれば儲かる農業にできるかを模索してきた鎌田さん。これからも農業を目指す人のために自らの背中を見せていこうと考えてファンを増やし続ける規格外品を活用し惣菜に加工6次産業化で切り拓く農業の可能性地域社会への恩を忘れず、編集長が注目する、挑戦の最前線Editor's Pick遊休地に夏に植えるひまわり畑は観光名所になっているタブレットを駆使し、畑のデータをリアルタイムで入手できるようにしている33
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