店舗DXの推進で人にしかできないサービスを7 ―飲食店以外の業種ではどのようなDXサービスがありますか。例えば、理美容店では営業時間に関係なく24時間予約受付ができるサロン向けWEB予約システムの導入をお勧めしています。また、小売店では、店内に紙のポスターやPOPを掲示することが多いのですが、それをデジタルサイネージに変えていくことで、印刷して、貼り出して、期間が終わったら貼り替えるといった手間と時間、印刷コストが不要になります。特にチェーン展開されている店舗では、本部から全店舗のサイネージを一括して変更できるため、掲示内容をタイムリーに管理することも可能です。この2年くらいで、サイネージの普及は加速しており、販促活動に大きな役割を果たすようになってきています。―店舗DXの導入は顧客満足度の向上にもつながりますか。店舗業務を効率化することで、補助金を用意しています。ただ、補助金制度は年度ごとに変わることがよくあるので、私たちが最適な補助金などをご紹介しながらDXサービスの導入を後押しします。また、弊社が持っている電気・ガス、通信などのインフラサービスを活用することで、日々のランニングコストを割安にできる提案も差し上げています。もちろん、店舗DXのすべてのサービスを一度に導入するのは難しい場合もあると思います。まずは、会計処理をPOSレジで自動化する、スタッフによる注文受けをオーダーシステムに変える、電話予約をWEB予約にするなど、今、お店が抱えているいちばんの課題を解決していく人材教育や商品・メニュー開発など、人にしかできないことに時間を振り分けられるようになります。そうなると、来店客にもっと目を向ける時間が増えて、いっそうきめ細やかなサービスの提供につながり、本来の接客業務に専念できるようになるというのが、私たちの推進する店舗DXの考え方です。例えば、飲食店のお客様から、「DXサービスの導入により、客席を見渡す時間が以前より増えた」という声をよくいただきます。それまでは忙しくてなかなか余裕がなかったところが、「あの席はグラスや皿が空いているからお声がけしよう」と気付けるようになったなどです。声かけは注文につながるだけでなく、来店客とのコミュニケーションを深める大切な時間にもなります。人手が少ない、時間に余裕がないという理由で発生する機会損失を防ぐこともDXの大事な役割のひとつだと考えています。―店舗DXの導入はどこから始めればよいですか。国もDXの推進を支援する立場から、IT導入に関するさまざまなことからスタートして、少しずつ広げていくことを試されてもいいと思います。これからいっそう深刻化していく人手不足、原価や人件費の高騰などに備えて、できるところから「未来への投資」を始めていただけたらうれしく思います。貴舩 靖彦 (きふね やすひこ)株式会社 USEN(U-NEXT.HD) 代表取締役社長神奈川県出身。1995年㈱大阪有線放送社(のちの㈱ USEN)入 社。各 支 社 長、営 業企画部長を経て、2012年海外事業立ち上げのため上海に駐在。2016年帰国後、事業推進統括部長、営業本部長、執行役員、取締役を歴任し、2023年代表取締役社長に就任、現在に至る。コーポレートサイト https://usen.com
元のページ ../index.html#7