現場での調整などはドライバーにゆだねています。そうすることによってドライバー同士が協力し合い、一体感が生まれ、お互い助け合う雰囲気が育まれます」。ドライバー同士の会話の中から出てくる悩みが福原さんのもとにも伝わり、それがケアにもつながる。また、ドライバーは複数の運送会社の仕事を受託しているので、ドライバーを欲している他社からの仕事をつないでくれることもある。ドライバーとのそうした強固な信頼関係をもとに事業が広がってきたのだ。実は福原さんは熊本県の野球名門校に進学し、甲子園に2度出場している。大学でも野球を続け、主将も務めた。「チームワークあってこその組織を骨身にしみて理解してきたので、おのずとそういうスタイルになりました」と語る。今後は事業の効率化のためにDXを活用する選択もあるのか質問したところ「例えば、ドライバーの位置情報を見えるようにするシステムがありますが、ドライバーからすれば管理されているみたいでいやじゃないですか。自由に縛らず、気持ちよく働いてもらいたいですね」とアナログを通す構えだ。ブドウ農園の事業もおろそかにはしていない。強みはなんといっても巨峰の生産に専念していることで、巨峰の生産では西日本一の規模を誇るという。ここ10年ほどはシャインマスカットブームが席巻し、周囲のブドウ農家はシャインマスカットへなびいていったが、頑なに巨峰にこだわり続けた。「結果的に巨峰農家が減ってしまい、現在はスーパーなどからも引き合いが増えています」。ただ、農業は自然相手で年によって不作、豊作の差が激しい。特に近年は温暖化の影響をまともに受け、気苦労は絶えない。不安定な農業に運送業が加わり経営は安定したが、福原氏は「運送業もいつまでも景気が良いわけではありません。将来を見越して新たな事業に挑戦しようと考えています」。現在考えているのがフルーツカフェだ。鞍手町は果樹農業が盛んで、さまざまな農家とのネットワークが生きる。「果物を見る目については自信を持っていますし、直接仕入れることができるのも強みです」。まずは、地元で採れたブドウやイチゴをジェラートなどに加工して、鞍手町のふるさと納税に活用してもらうことを考えている。その加工場を本社に隣接した建物内に整備するとともに加工した製品をその場で食べられるようにする。「1年を通してさまざまなフルーツが採れる強みを生かし、鞍手町の特産を多くの人に味わってほしい」。信頼関係を大切にし、守りながら攻める。それが福原さんの真骨頂だ。農家人脈を生かしフルーツカフェにも挑戦巨峰の生産では西日本一の規模を誇る29マルセイ株式会社事業内容/自動車・運輸・倉庫関連業・農業〒807-1305 福岡県鞍手郡鞍手町大字新延 742-2TEL : 0949-42-3427FAX : 0949-42-8766ドライバーとこまめに電話で連絡を取る
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