Plusone642
6/36

デジタルカメラの出現が異業種参入を後押し創業以来、写真事業で成長し温泉事業へ新規参入橘 売と現像事業からスタートしたと聞いています。そこから温泉施設運営、さらに食のテーマパークへと事業を拡大してきたそうですが、その経緯を教えてください。ス写真は1957年の創業です。1960年に日本ジャンボー(株)となって写真の現像・プリント(DPE)などを中心に全国へ事業を拡大し、ピーク時には5万5千店の取次店を展開していました。ところが、1991年に当社が株式上場してまもない頃から、デジタルカメラが普及し始め、写真市場を席巻していきます。それを目の当たりにして、今後高橋 御社はフィルム写真時代にカメラ販弊社の前身であるアルプDPE事業は厳しくなっていくものと予想し、多角経営の必要性を迫られます。そこで、メインバンクの紹介で東京・町   6田に土地を購入し、温泉事業を始めることにしました。当時は箱根で日帰り温泉が人気を集め、あちこちでスーパー銭湯ができ始めた頃でしたが、同じことをやっていては成功しないだろうということで、名湯・湯河原の源泉をタンクローリーで運び、温泉旅館の風情が味わえる施設にしようということになりました。つまり、伊豆の温泉旅館を都会に作ろうという発想です。こうして1997年に万葉倶楽部(株)を設立し、同年町田に「東京・湯河原温泉万葉の湯」をオープン。これが人気を呼んだので小田原に2号店を開き、その後、全国各地へ展開していきました。橘 全く異なる業種への参入ですから、いろいろご苦労もあったのではないですか。高橋 高橋 昨日まで写真屋だったのが今日から温泉旅館ですからね、それは苦労の連続でした。素人集団による素人経営でしたが、「温泉に来てもらうのではなく、こちらから温泉を持っていく」という発想が受けて、高級旅館のような本格的な温泉が手軽に楽しめるということで話題を集めていきました。また、お食事処、リラックスルーム、エステ、理・美容室も設けて多彩なサービスの提供に努めたことも、好評をいただいている大きな要因だと思います。橘 「千客万来」に新しくできた万葉倶楽部は、これまでの温泉施設にない特長がありますか。1日中ゆったりと過ごせて、宿泊もできる都心の温泉施設という点で、「横浜みなとみらい万葉倶楽部」に似ているかもしれません。あちらの足湯庭園からはランドマークタワーやベイブリッジが望めるし、ライトアップされた観覧車も目の前です。一方、「東京豊洲万葉倶楽部」は、湯河原と箱根の両方の湯が楽しめて、都心の高層ビル群やレインボーブリッジなどの夜景がパノラマのように広がります。こんなに贅沢な光景を味わえるアーバンリゾートは「千客万来」が唯一無二ではないかと自負しています。大阪府松原市出身、1979年に中企連(現ティグレ)松原事務所に入社後、業務部長や大阪の堺支店長を経て、2015年に取締役就任。17年からティグレグループ代表として、ダイバーシティ経営を軸に、人材育成と人財活用の組織再編を行い、多様なキャリアプランの育成システムの整備で業績及び雇用を拡大。また、ICT 推進による事業の効率化の達成ならびに生産性の向上に取り組む。橘 悦二 (たちばな えつじ) ティグレグループ 代表DIALOGUE

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る