Plusone642
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次なる目標は多店舗展開りましたが、融資の申請も含めいろいろ走り始めていたので腹を固めました」と幸弘さん。当初は夜だけの営業にするつもりだったが、営業時間に制約をかけられたため、急きょランチ営業やテイクアウトも行うことにした。「この時期によく開けてくれたと喜んでくれるお客様が多かったですし、お客様の数が限られた分一人ひとりのお客様に丁寧に接することができました」と由芙さん。ランチの営業は数か月ほどだったがその努力がその後の夜のリピート客につながった。こうして常に逆境をプラスに変える思考で前を向き続けられるのが伊集院夫婦の真骨頂だ。人気のローストチキンは、まずお腹の中にローズマリーを入れ、丁寧に塩と黒胡椒をすりこむ。さらにオリーブオイルに漬け込んでから、オーブンで1時間ほどじっくり焼き上げることで、外はパリッとさせながら、しっかりと旨味を引き出す。クリスマスシーズンともなればテイクアウトも含めて多くの注文が舞い込む。「1年に1回は必ずローストチキンで近所の人に検索してもらえるので、それもお店を知ってもらえる機会につながっています」。「ロティサリーオーブンの使い途はそれだけでないんですよ」と由芙さん。ジャガイモやタマネギをそのまま焼くことで新たなメニューを生み出している。タマネギは皮ごと焼くことで水分を閉じ込め、蒸し焼き状態にすることでとろとろの甘みを引き出し、ローストチキンとの相性は抜群だ。また、ジャガイモはアンチョビとガーリックをまぶして揚げ、アルバイトにまかない料理として出したところ好評だったことから定番メニューに格上げされた。外食店向けの展示会にも足を運び、めずらしい酒のメニューを加えるなど客を飽きさせない工夫も欠かさない。「はじめの2年間は私も口出しし過ぎたところがあったのですが、今はもう言うことがありません。お客さんも由芙ちゃんにしっかりついており、今は任せきっています」と、幸弘さんは全幅の信頼を置く。オープンして4年余りが経過した、2開の構想を温めている。「4年経つと、世の中の嗜好も、店のデザインの流行も変わります。僕たち夫婦ももうちょっとこういうやり方があったんじゃないかという思いがいろいろ出てきています別の形で生かし、もう一度ゼロベースで新しいお店をやってみたいですね」。顔を見合わせながら笑う2人の強固な絆が生み出す、新たな冒険の行きつく先が楽しみだ。人は次の目標である多店舗展。4年間で得たものを店内中央に置かれたロティサリーオーブンが存在感を放つ2人で次のお店のアイデアも温めている27耕コウチキン事業内容/飲食店経営〒183-0022東京都府中市宮西町1-12-1Tel:042-403-2289https://koukouchikin.owst.jp/チキンとともにオーブンで焼いたタマネギとジャガイモを添えて今

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