が承認した「ビジネスと人権に関する指導原則」を起点として、企2011年に国連人権理事会業活動にかかわる人権侵害(開発途上国での児童労働や強制労働、パワハラやセクハラなど)がないかを監視し、また、サプライチェーン(原料生産から販売までの一連の流れ)を含む企業活動において「人権デューディリジェンス(人権DD)」の実施を法律で義務付けている国が増えています。(スライド1)「人権DD」とは、企業活動が人権を侵害していないかを常に点検し、人権侵害に対して確実な救済策を講じ、ステークホルダー(利害関係者)との対話を続ける取り組みのこと。日本国内に目を向けると大企業を中心に人権方針を策定・公表する企業が増加し、2022年2月に国際経済連携推進センターから「中小企業のための人権DDガイドライン」が公表されました。駆者となっており、日本国内では大企業が中心となって進めていることから、筆者も研修を受講する前は、中小企業には関係ないと考えていました。しかし、海外の自動車メーカーが生産する製品に児童労働や強制労働が行われている地域の原料が使われていることが判明した結果、輸入先である国が「輸入禁止措置」を講じたことや、繊維産業では児童労働が行われている地域で生産された綿を使用している製品を販売するメーカーの不買運動が行われこうした流れは海外企業が先るなど、大企業とつながりがある中小企業も避けて通れない分野であると認識が変わりました。また、日本国内の法律(労働基準法など)を守っていれば良いと思っていましたが、外国人労働者の増加が見込まれる我が国において国内法遵守だけでは足りず、人権DDに取り組むことで世界基準を学ぶことは必須であると考えるようになりました。(スライド2)人権という言葉は非常に重いイメージがあり、また、ビジネスと人権についてはカタカナ用語が多い現状があり、なかなか理解が進まないのではないかと思います。ただ、ある日突然取引先から「人権DDチェックリスト」などが届き、対応せざるを得ない状況になることや、商品の原料調達から販売までの過程で思わぬ事態が生じ、販売中止などの影響を受ける可能性も否定できない時代になっています。ビジネスと人権は外国人労働者が増加する日本では避けることができない課題であると思いますので、少しでもご理解いただけましたら幸いです。なぜ、取り組む必要があるのかビジネスと人権に取り組む21われるのか?を把握する。省のホームページにも記載多数)禁止措置が行われた事例がある。ビジネスと人権には聞き慣れない言葉が多く、筆者は当初、「自分には関係ない」と思っていました。しかし、経済活動の範囲が広がっている現在では、自社の製品やサービスがどのように使われているのかだけではなく、自社の製品やサービスの原材料調達まで、一連の生産過程(サプライチェーン)を把握し、自社の立ち位置を再確認することから始めてみるのも良いかと思われます。次号では、人権DDの詳細をお話しさせていただきたいと思います。スライド 21.政府や国際機関、業界団体の発信や活動から、ビジネスと人権の潮流を理解する。2.自社事業とサプライチェーンの構造を把握する。⇒原材料はどこからきて、最終製品はどこに行くのか?自社の製品やサービスは誰に使3. 自社事業とサプライチェーンの中で、具体的な「人」と「人権」を思い浮かべ、分析しながら視覚化する(ステークホルダー・マッピング)。4.労働組合や労働者代表とビジネスと人権について情報交換を始める。⇒労働に関する基本原則や権利に関するILO宣言等を参考にする(法務省や経済産業5.過去に問題となった事例から学ぶ。⇒アパレル業界や自動車業界で不買運動や輸入6.自社の取り組みを積極的に社内外へ公表する。すべての企業が明日からできる取り組み本号の結論
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