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誰しも一度は経験したことがある「口内炎」。小さな口内炎でも食事や会話が不便になり、ストレスを感じることが多いものです。しかし、その原因や対策について詳しく知る人は少ないかもしれません。今回は、口内炎の原因や治療法、そして予防方法について解説します。素を発生させ、身体のさまざまな部位に異常を来します。また、疲れなどにより身体の免疫が低下すると、ビタミンをはじめとした栄養素が消費され体内で栄養不足状態に。食事からの栄養摂取量が足りないと、口内炎を引き起こす要因となります。根本的な解決策としてストレスの原因を取り除く、栄養バランスの良い食事をすることが重要です。どうしても食事で補いきれない時には、サプリメントもうまく活用しましょう。ただし、ビタミンAなどの油溶性ビタミンは過剰摂取に注意してください。①ウイルス性や④ストレス・食生活による口内炎の場合、自然治癒で良くなることがほとんどですが、1週間~10日ほど経過しても治らない場合は、初期の舌がんや頬粘膜がんなどの悪性腫瘍であることや、第20回口内炎④ ストレスや不規則な食生活に① ウイルス性によるもの  いじょうほうしん「口内炎」は、唇の内側や歯茎、舌など口腔内の粘膜に発生する炎症です。その原因は大きく4つに分けられます。原因としては最も多く、ヘルペスや帯た状疱疹、ヘルパンギーナ、手足口病、麻疹・風疹などによる感染が挙げられます。自然治癒でもよくなりますが、痛みが強い時にはステロイド軟膏や口腔内パッチを処置することで、治りが早くなります。②自己免疫疾患によるもの 膠原病やベーチェット病、クローン病などが挙げられ、潰瘍を形成するために非常に治りにくい特徴があります。特に、ベーチェット病は口内炎から発見されるケースも少なくありません。治療法は各疾患に準じたケアとなりますが、痛みが強い時には同じくステロイド軟膏やパッチなどで痛みを和らげることもあります。③慢性的な刺激によるもの 入れ歯や義歯などが合わないと、常に口腔内に刺激を与えることで炎症が生じることもあります。さらに、これらの慢性的な刺激が、がんを誘発する要因となることも指摘されています。まずは入れ歯の金属フックの形を修正するなど、根本原因となっている物理的刺激を取り除きます。それでも症状が変わらない、または悪化する時には組織の検査をします。万一悪性腫瘍であった場合、検査による刺激でがんの勢いが大きくなる懸念があるため、がん治療が可能な病院での検査が推奨されます。よるもの 過度なストレスは体内で活性酸その他の病気が隠れている可能性があります。口内炎が長引く時には医療機関で専門的な治療を受けることが必要です。まずは耳鼻咽喉科を受診し、適切な診断を受けましょう。口内炎は身近な健康問題ですが、正しい知識と対応策を知ることで、症状を和らげ、早期に治癒させることができます。日常生活での注意点や予防策を実践し、口腔内の健康を守りましょう。(東京都江戸川区)18健健康康相相談談室室田部浩生先生しんでん耳鼻咽喉科医院 治りにくい口内炎には重大な治りにくい口内炎には重大な病気が隠れていることもあります病気が隠れていることもあります

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