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飲食店を始めてみたものの、どのように終わりを迎えるべきか、事業を引き継いでもらうためにはどうしたらいいかなど、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。飲食店に限らず、事業の終わりを思い描きながら経営戦略を考える場合とそうでない場合では、経営の方向性が大きく異なります。本記事では、老舗ファミリー企業のコンサルティングに携わり、300年以上続く酒蔵から、2代目に引き継がれたばかりの会社、子どもへの引き継ぎを考えている企業まで、さまざまな形態の事業承継を見てきた飲食店コンサルティングキャロット株式会社の嶋田光宏さんに、飲食店の「出口戦略」についてお聞きしました。てくると、事業拡大と共に考えなくてはいけないこととして『出口戦略』があります。事業が終わりを迎える方法には、次の5つが挙げられます。nitialManagementBuyout)Publi飲食店を始めて事業が軌道に乗っ子どもや親族が後継者となり、経営権を譲る方法合併や買収などにより会社を売却する方法社員(主に会社の経営陣)に会社を引き継いでもらうことにより、事業を存続させる方法事業を廃止することで経営を辞める方法少数株主に限定されている未上場の株式会社が株式を公開して株式市場での売買を可能にする方法(法人に限る) それぞれの方法にメリット・デメリットがあり、市場環境や経営者の想いなどによって選択肢が異なるため、一概にどれが良いかを勧められるものではありません。左表に各方法の特徴をまとめましたので、自分に合った出口戦略は何かを考えてみてください。②M&A(MergerandAcquisition)③MBO(⑤IPO(cOffering)飲食店で多く見られるケースに「事業承継」があります。事業を次の世代に譲るという単純な手法ではありますが、時代背景や市場環境によっては、引き継ぎを断られるケースも少なくありません。そこで、最近増えてきているのが「第三者事業承継」です。現経営者の親族や従業員、役員以外の第三者によって事業を引き継ぐことを指し、少子化によりこのようなケースは増えてきています。親族にこだわらず、視野を広げて想いを同じくする引き継ぎ手を探すことも選択肢に入れておきましょう。親族にせよ、第三者にせよ、事業承継を成功させるためには、後継者が引き継ぎたくなるような会社を作ることが不可欠です。以下に老舗企業での支援経験から得た教訓を示します。第一に、持続可能な利益を上げていることが重要です。後継者が魅力を感じるためには、まず企業が安定した収益を上げている必要があります。長年にわたって築かれたブランド力や地域社会での良好な評判は、事業承継の魅力を高めます。顧客からの信頼や愛着があり、地元に根ざした評価を得ているお店は、後継者にとっても価値のある資産となります。経営者との信頼関係が築かれている従業員がいる会社は、モチベーションが高く、事業承継後もスムーズな運営が期待でき、引き継ぎたくなる要因となります。事業を他社に継承する方法として「M&A」があります。一般的に「会社を売ることは良くない」という先入観や「従業員の賛同を得られない」という思い込みがありますが、M&Aは自分が大切に育ててきた事業を信頼できる相手に託す手段ともなります。また、適切にM&Aを行えば、従業員の給与や待遇を向上させることにも①親族内事業承継④廃業①安定した経営基盤②ブランド力と良好な評判③従業員との信頼関係 I 8ティグレの活動報告や事業に役立つ情報をお届け飲食店経営講座 法法はは55つつ事事業業のの「「出出口口戦戦略略」」のの方方MM&&AAとといいうう選選択択肢肢引引きき継継ぎぎたたいい店店をを作作るるティグレニュースNEWS 01NEWS 04飲飲食食店店経経営営講講座座  第第  55  回回 ~~出出口口戦戦略略編編~~      小小規規模模飲飲食食店店のの未未来来をを考考ええる『る『MM&&AA』』TIGRE NEWS

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