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 7日本が誇る焼鳥文化を世界へ大倉 大倉 全世界にチキンフードを広げていこうと考えるようになりました。橘 いでしょうか。鳥インフルエンザが発生した時でした。ところがそれほど影響を受けず、逆に道頓堀店などは売り上げが増えたのです。その理由は、鳥貴族が20代、30代の若い世代のお客様に支持されているからだと思います。若い方はいたずらに噂に振り回されず、調理した鶏肉からは感染しないということをちゃんと理解していました。橘 大吉」を買収したそうですが、どのように進めたのでしょうか。業前にやきとり大吉の店舗で働いていました。やきとり大吉は、当時焼鳥業態では店舗数ナンバーワンでしたが、鳥貴族の店舗数が増えていく中で、この2つで業界の逆に特化すると、リスクもな最初にそれを意識したのは拡大戦略のひとつとして「やきとり先ほど申し上げたように、私は創1、2位を占めるまでになりました。そこで、もし一緒になれば仕入れ力が向上でき、FC店の加盟者の募集もよりやりやすくなると考えました。大吉株を保有しているサントリーホールディングスの担当者に極秘裏に打診したところ、一瞬驚かれましたが、「ウィンウィンやと思う」と言ってくださり、水面下で1年ほど作業を進め、2023年1月に買収することで合意しました。やきとり大吉の店舗はすべてがFC店です。そこで、私は合併後に大吉の社員の皆さんにまず「店主と、その先のお客さんのどちらを見て仕事をしていますか」と問いかけました。そのうえで私は「まずは店主を幸せにして、いきいきと働いてもらわなければ発展はない」と申し上げ、店主ファーストの施策に取り組んでいます。橘 5月に社名を変更されましたが、その意図をお聞かせください。5月1日に、社名を「鳥貴族ホールディングス」から「エターナルホスピタリティグループ」へと変更しました。その理由は「日本が誇る焼鳥文化を世界に届ける」という思いを込めたかったからです。その第一歩として、まず7月末までにアメリカのロサンゼルスへの出店を目指して準備しており、8大倉 月以降には2店目の出店も計画しています。日本人を含めたアジア人コミュニティの多いエリアなので、鳥貴族のテイストを残した店を出す一方で、富裕層も多く住んでいるため、焼鳥とワインを組み合わせたコンセプトで高めの価格設定にしたお店も展開していきたいと考えています。そして、すし、ラーメンに次ぐ和食として、焼鳥を広めていきたいと考えており、アメリカで成功すれば、全世界へと広げていきます。また、海外への出店は、鳥貴族で働く従業員にとっても新たな成長の機会となり、働きがいを提供できるという点でも期待しています。一方、国内については、2030年までに鳥貴族だけで1000店を目指しており、今後は、全国の地方都市への出店を進めていこうと考えています。橘 今日のお話で、夢を着実に現実のものにしていかれていることがよくわかりました。最後にティグレの会員企業の皆様にメッセージをお願いします。夢を実現していくには、自分を信じるしかないと思っています。無理だと思った時点で、思考が止まってしまうと思うのですが、そうならなかったのは、自分が考えた戦略で突き進んでいけば必ず道は開けると信じていたからだと思います。信じる道を貫き、企業価値を高めていく努力が大切だと考えます。大倉 大阪府松原市出身、1979年に中企連(現ティグレ)松原事務所に入社後、業務部長や大阪の堺支店長を経て、2015年に取締役就任。17年からティグレグループ代表として、ダイバーシティ経営を軸に、人材育成と人財活用の組織再編を行い、多様なキャリアプランの育成システムの整備で業績及び雇用を拡大。また、ICT 推進による事業の効率化の達成ならびに生産性の向上に取り組む。橘 悦二 (たちばな えつじ) ティグレグループ 代表SPECIAL

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