一般的に、顔のニキビは古くなった角質や皮脂が毛穴に詰まり、アクネ菌が繁殖する「尋常性ざ瘡そ」が原因です。しかし、背中のニキビはさらに、毛もう包にマラセチア菌や黄色ブドウ球菌が侵入して繁殖する「毛包炎」が関与することもあります。そのため、それぞれの菌に対応した治療が必要です。これらの菌は皮脂が多く、高温多湿な環境を好むため、毛穴で繁殖しやすい特徴があります。初期は黄白色に盛り上がり、悪化すると炎症を起こして化膿し、膿を含む発疹となり、かゆみや痛みを伴うこともあります。うほニキビは皮膚に炎症が起こっている状態なので、化粧品で治すことはできません。ニキビケアの薬用化粧品に配合される殺菌成分や抗炎症成分はあくまでも予防効果。皮膚症状が出たら皮膚科に相談しましょう。特に背中のニキビは原因菌が複数あるため、専門医に適切な薬を処方してもらうことが重要です。悪化するとニキビ跡が残ってしまう懸念があります。ニキビの原因の一つに過剰な皮脂分泌がありますが、ゴシゴシと洗いすぎると肌が荒れてニキビが治りにくくなります。たっぷりの泡を作り、なでるようにやさしく洗いましょう。ボディーソープは保湿成分が配合されているものがおすすめです。これらに含まれる成分には毛髪表面をなめらかな質感にするためのカチオン界面活性剤が配合されています。この成分は肌に付着したままにすると刺激になる懸念があります。顔周りや背中はすすぎ残ししやすい部位のため、シャワーでしっかり洗い流すようにしましょう。すが、肌を健やかに保つためには保湿ケアも重要です。お風呂上がりに、水溶性の保湿成分が含まれるジェルやローションなどで素早く保湿しましょう。毎日行うことで肌の状態を保ちやすくなります。る要因の一つです。背中ニキビができやすい方は、しっかり睡眠をとったり、リラックスする時間を作ったりすることで改善がみられるかもしれません。機会は少ないかもしれませんが、繰り返しやすい悩みの一つです。日常的な予防を心掛け、問題が起きたら早めに皮膚科に相談しましょう。皮脂が原因になる背中ニキビでストレスは皮脂分泌を増加させ背中のニキビは他人に見られる③トリートメントやコンディショナー①化粧品のみでの対応はNG②洗いすぎには注意はしっかり洗い流しましょう④十分な保湿を⑤ストレスを取り除く背中ニキビの原因背中ニキビができやすい人の注意点第10回「背中ニキビ」PROFILE一般社団法人美容科学ラボ代表理事。物質工学修士。専門学校講師やオンラインサロン運営、美容メディア監修、SNS発信を通じて「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に努める。MAQUIA(集英社)、an・an(マガジンハウス)、『世界はデータでできている』(TV東京)などメディアに多数出演。う19ニキビ(尋常性ざ瘡)アクネ菌の増殖毛包炎炎症肌を露出する機会が増える夏。その中で気になるのが「背中のニキビ」です。悪化するとかゆみや痛みを伴うことも。背中ニキビができやすい人は、正しい知識と適切なケアが重要です。アクネ菌皮脂腺角質層毛包理系美容家 かおり
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