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一般に3Dプリンターというと、樹脂を射出して立体物を成型するマシンというイメージがあるかもしれませんが、弊社の3Dプリンターは大きなノズルからコンクリートを出力します。簡単にいえば、自動車工場でロボットアームが車をつくるようなイメージです。今まで大工や職人さんが手作業でつくっていた家を、工場でロボットがコンクリートを出力しながら壁から屋根まで積み上げていくので、低コスト・短時間で家がつくれます。建築業界では今、人手不足による人件費の値上がりなどで、住宅価格が高騰しています。でも、3Dプリンター住宅はほとんど人手を介さないので、人件費を約90%削減することができ、住宅価格も大幅に下げることが可能となります。セレンディクスでは1LDK・50㎡の商品を550万円で提供していますが、これは一般のコンクリート住宅の10分の1程度。自動化によりこうしたコストカットを実現できるのです。コンクリートを打ち出す3Dプリンターは特殊なので、初めは自分たちで一から開発しようと考えました。でも、実際に必要なのはロボットアームとノズルなので、自社開発ではなく、先行しているメーカーから仕入れることで、我々はデジタルデータに基づいて壁と屋根を造形することに徹底フォーカスすることにしました。こうして生まれたのが屋根部分までを一体成型する独自の技術です。これは世界の建築業界からも注目されており、屋根を別素材でつくって接合する必要がないため、建築のコストと手間をいっそう削減することができます。もちろん、商品開発が初めから順風満帆に進んだわけではなく、試作段階では水漏れやカビなどさまざまな問題も発生しましたが、我々のチャレンジに賛同してくれる企業や団体と結成したコンソーシアム(共同事業体)の協力で新素材やノウハウを集めることで解決していき、耐久性と快適性を兼ね備えた住宅を実現することができました。最初に発表したのがグランピングなどに使える10㎡タイプで価格は330万円。次に50㎡の1LDKタイプを550万円で発表しました。こちらに関してはすでに6千件以上のお問い合わせをいただいており、その多くが60歳以上の方々です。この世代になると、家の購入やリフォームをしたくてもローンが借りられない、あるいは賃貸住宅を契約できないといった問題に直面し、住宅で困っている人たちが少なくないのです。高齢で広い家は必要ないという皆さんにとっては、車と同じくらいの値段で1LDKの一戸建てが購入できるという点がニーズにぴったりマッチしているのでしょう。高齢世代の住宅問題を解決する手段の一つとして、我々の3Dプリンター住宅が応えていけたらうれしいです。セレンディクスの企業ビジョンは「世界最先端の家で、人類を豊かにする」と謳うっていますが、3Dプリンター住宅がその実現の一助になると考えています。例えば、コロナ禍以降、リモートワークが定着してきたお陰で、必ずしも地価の高い都市部に住む必要はなくなっています。都会なら坪百万円以上する土地も、地方へ行けば坪1万円以下で手に入る所もたくさんあります。そこに数百万円で3Dプリンター住宅を建てたら、土地代と合わせても1千万円くらいで快適な家に住むことができます。こうして高額なローン返済に追われることなく快適な住宅を手に入れることができれば、生活はもっと豊かになるはずです。そのためにも、セレンディクス1社ではできないことを、全国の協力パートナーさんたちと連携して、3Dプリンター住宅の生産拠点を広げて量産体制を整えていきます。さらに、幅広いニーズに応えていく商品タイプを開発していき、未来を豊かにしていく新しい住宅をこれからも追い続けたいと思います。 た ―3Dプリンター住宅とは、どのようにつくられる家なのですか?―3Dプリンター住宅を事業化する上で、どんなことに苦労されましたか?―現在、2タイプの住宅を発表されていますが、反響はいかがですか?―今よりもっと手軽に住宅が購入できるようになったら、人々のライフスタイルはどう変わりますか?ロボットが車をつくるように家をつくっていく車を買う値段で家が買えたら生活はもっと豊かになる331LDK・50㎡の2人向け3Dプリンター住宅「serendix50」ロボットアームからコンクリートを出力して家をつくる©️セレンディクス

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