ると考えています。企業余命とは、成り行き経営での余命のことです。何も考えずにほったらかしの経営をしたら何年あるいは何か月で倒産するかという指標を企業余命といいます。死を意識しないとスイッチオンにならないのは企業も人間も同じです。それゆえ存続・成長するためには、企業余命を計る必要があるのです。要するに健康診断です。企業余命を調べて、悪化の原因の経営指標を調べます。経営指標は、内科、外科などの分類と同じものです。経営においても、悪化原因を詳細に調べて、該当するお薬を出します。昨今、ChatGPTが世の中を騒がせていますが、将棋の世界でもどちらが勝っているかを示すソフトが使われるようになっています。その中でも一番強いのは、Googeが開発した「アルファゼロ」というソフトです。これは、名人たちの棋譜を全部データ化して、どういう指し手がベストでどういうふうにしたら勝てるのかというアルゴリズムを引き出して作ったということです。そしてそれまで最強だったエルモというソフトにわずか12時間で勝ってしまいました。それは「速い」=「正確」を意味しています。ここのポイントは、膨大な基本的データベースが重要だということです。ですから、私も基本的財務データベースを財務分析、経営分析に利用して分析を行っています。それを使うとライフステージ曲線というものが出てきます。ライフステージ曲線は、創業、成長、安定、成熟、経営革新・経営改善・事業承継・事業再生・廃業・倒産のステージにある企業のデータを統計学でガラガラポンして出します。時系列多変量解析総合評価分析という方法によって、総合評価を縦軸に、時間を横軸にとると描き出されます。総合評価が60を下回れば破綻懸念、200に近づけば成長と言うことができます。『成長企業』や『黒字倒産企業』『売上至上主義倒産企業』等のデータを膨大なデータから『成長の条件』を統計処理で抽出して、アルゴリズム化し、倒産から遠ざかることを成長と定義して成長概念を明確化すれば、企業の危機も「総合評価」と「企業余命」という指標により、「見える化」が可能です。将来をただ、イメージするだけでなく、あなたの会社でもぜひ、より長い経営が続けられるよう企業余命を診断してみてはいかがでしょうか?企業力総合評価をもとにして企業余命を診断してみましょうl313年間から10年間の財務諸表と従業員数などの数値をもとに時系列多変量解析総合評価分析を行うと、以下のようなグラフができます。こちらは、某企業が経営幹部交替により正常経営に向かう過程のグラフの一例です。200.00180.00160.00140.00120.00100.0080.0060.0056.0361.4257.9340.0020.000.00201320142015201620172018201920202021202277.7176.5871.6466.3470.3692.2476.89企業力総合評価 緑の領域は正常の領域 黄の領域は正常であるが、コンサルティングの必要な領域 オレンジの領域(60〜80点)は、要注意債権 60点以下は破綻懸念領域 【総合評価】簡単にいうと企業の実力のこと 【総合評価60】破綻の危険性のある企業の実力のこと 【増加総合評価】前期との増減を示しています。・・・① 【総合評価-60】60点の破綻懸念まで後何点あるかを示しています。・・・② 【悪化成り行き倍率】あと何年で60点以下になるかを示しています。・・・②÷① 【企業余命】=【悪化成り行き倍率】 成長は真逆でないと矛盾するので、200点(閾値 境目になる数)に近づくことです。 成長とは、倒産から限りなく遠ざかること、存続は倒産の消極的否定。資料2「総合評価」と「企業余命」の算出
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