最近の倒産パターンを見てみると、過去の成功体験に惑わされ、あるいは、部下の報告や取引業者の言葉、世間の評判、そうした周りの言動に振り回され、自分が見えなくなり、ついに足元を固めることを怠り、誤った判断を積み重ねてしまった、この累積結果から引き起こされるケースがほとんどです。「この商品はトレンド的に間違いなく顧客の支持を得るから大丈夫」と営業部長から報告を受けていたとか、「資金の手当ては間違いない」と経理部長から言われていたとしても後の祭り、トップとしての責任は免れません。 そうしたリスクを避けるため、しばしばトップは管理スタッフや情報システムの増強※ 複数の変数に関するデータをもとに、これらの変数に走ります。実は、これが赤字化、倒産化への典型例なのです。判断がバラバラになされ、収拾がつかなくなり、ただむなしく管理コストを膨大化させながら、いったいどの方向に企業が向かっているのかさえ誰も分からなくなり、倒産へひた走っていきます。そのような事態、倒産を避ける方法は、「私情の入る隙のない客観的な数値指標」をもとに自社の実力、リスク、可能性を常に評価し、その実態から出発することに尽きるのです。統計的手法を用いることで作為や私情を排し、純粋で中立な自社評価、自社格付けを行わなければなりません。多※変量解析による企業力総合評価分析を用いて財務指標を総合評価し、議論や言い訳を生み出す余地をなくし、的確な意思決定を生み出すことが倒産を免れる唯一の道なのです。私は企業自身が自らの現状把握を行い、企業余命を知ることがスタートラインであ間の相互関連を分析する統計的技法コロナ資金の返済を原因とする倒産記事が新聞紙上を賑わせています。 しかし、倒産はコロナ資金の返済だけが原因なのでしょうか?そこで、多くの中小企業、上場企業を指導されている経営コンサルタントの山本一博氏にお話を伺いました。答えは否です。あなたの会社は企業余命を把握していますか?301955年和歌山県生まれ。多変量解析総合評価分析を利用した「SPLENDID21」の開発者として多くの会計事務所、中小企業、中堅企業、上場企業を指導中。「科学的経営」を志向する経営コンサルタント。単身、上場企業に赴き、経営の隠れた問題点をズバリ指摘。表向きにはまず分からず、経営陣も見逃していた問題点に対する的確な指摘に、上場企業トップが驚きを隠さない辣腕コンサルタント。 ㈱戦略経営研究所代表取締役 山本 一博売上総利益率売上高経常利益率売上高当期純利益率総資本経常利益率自己資本経常利益率自己資本当期純利益率1人当たりの売上高1人当たりの売上純利益1人当たりの経常利益棚卸資産回転期間売上債権回転期間買入債務回転期間経常利益増加率売上増加率総資本増加率従業員増加率流動比率当座比率現金預金比率固定比率固定長期適合率自己資本比率資料1企業力総合評価の判断基準営業効率資本効率生産効率資産効率流動性規模の指標を排除企業力総合評価安全性
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