Plusone639
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ょうぜ饒じつ舌になる包容力凝りを探り当ててから施術で血流を改善初対面の人でもろ げハローワークへ通い、職業訓練校のパンフレットを開いたところに出てきたのが整体師養成校だった。導かれるように入学を決めた。平日の午前11時から午後3時までの講義に3年間通い続け、学校が運営する店で整体師デビュー。1年間実地で技術を学んだ後、2013年、呉市の広ひ駅前で「リラクゼーションサロンスランジュ」をオープンした。店のオープンと同時に導入したのが酸素吸入器だ。「お客様にあおむけに寝ていただいた後は、まずは親指を使って凝っている部分を探っていきます。ゆっくり圧迫していくと筋肉が収縮して固まっているところ、つまり血流が滞っているところに当たります。そこをしっかり施術し、一緒に酸素を吸ってもらっているんです」。腕の確かさが評判を呼んですぐに繁盛店になった。2018年には三原に2号店をオープン。そして23年2月、かつて学んだ整体師養成校の近く、広島・八丁堀に拠点を移した。「オープンして10年の節目にこの場所に戻ってきたいと思っていました」。現在は三原と八丁堀の店を行ったり来たりしている。朝11時から夜の10時まで、多い時で1日5人を施術する。「定期的に3時間かけてフルの施術を受けるお客様も多いんですよ」と澤山さん。客が求めているのは施術だけではない。澤山さんとのおしゃべりという名の人生相談をしにやって来る。明るくあっけらかんと話す様子からはみじんも陰かを感じさせないが、澤山さんは離婚、さらには元夫の借金の肩代わりなども経験してきた。酸いも甘いもかみ分けた経験がなせる包容力で、初対面の口下手な人でもなぜか澤山さんと話をしているうちに心を許し、饒舌になる。さらには人が背後に抱えているものまで見抜いてしまう力を生かした的確な助言を求めにやってくる人も多い。客層は老若男女幅広い。近年は世界で活躍するアスリートも増えているという。「ここにきて涙を流す方も多いです。そんな時はわんわん声を出して泣いていいのよ、と伝えています。そうすると心がリセットされて、また新しい気持ちで次に進むことができるんです」。客にとってスランジュは心身の駆け込み寺になっているようだ。振り返ればこれまでの人生は、直感の赴くままに自然の流れに身をゆだね、危険を察知した時だけは避けてきたという澤山さん。「家庭には恵まれなかったかもしれないけれど、その分仕事に恵まれてきました。好きなことをしてたどり着いたこの仕事は天職だと思っています」。澤山さんはなじみの客にはこんなふうに声をかける。「みっちゃんワールドへようこそ」。リラクゼーションサロン スランジュInstagramはこちらドーナツ状の枕の下から出てくる酸素を吸いながら施術を受ける29酸素カプセルボックスで仕事をする客もいる事業内容/リラクゼーションサロン〒730-0013広島県広島市中区八丁堀8-5 フレール八丁堀3FTel:090-4101-0277https://www.salon-slange.com/

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