ひと口に災害と言っても、最初に起きる一次災害と、その災害が影響して後から派生する二次災害があります。したがって、一次災害に際しては避難時にすぐに持ち出せて1日程度しのげる物を、また、二次災害では避難所や自宅で支援物資が届くまで、少なくとも3日間程度の避難生活を送るのに必要な物を準備しておかなければなりません。この2つは持ち出す物が違うので両方備えておく必要がありますが、私はさらに「0(ゼロ)次災害」への備えも必要だと考えます。それは何かと言うと、特に私たちケアマネージャーは外出時間が長く、どこで災害に遭遇するかわからないので、私はいつもカバンの中に防災グッズを入れておくようにしています。これが0次災害の備えです。最近のアウトドアグッズには災害時に役立つ物がたくさんあるので、まずは自分の命とまわりの人の命を守り、できるだけ業務を続けられるよう、0次災害の備えもぜひ考えていただきたいものです(図3)。介護事業者のBCP策定義務化に伴い、BCP作成は必須となりますが、より重要なことは、近所の皆さんや地域の他の事業者と緊密に連携して、顔の見える信頼関係をつくっておくことにあります。例えば守口市では、災害時に在宅介護利用者の安否確認をする優先順位を「トリアージ」により決めていますが、その際、優先順位が高い利用者なのに離れた場所で行けないといったケースもあるので、互いに助け合う地域連携は不可欠と言えるでしょう。特に小規模事業者は自分たちだけですべて対応するのが困難なことが多いので、平時からの協働体制が、1人でも多くの命を守るためにとても大切なのです。介護事業者のBCP策定のポイントを駆け足で説明しましたが、BCPはあらゆる企業や団体が策定すべきもの。災害や感染症に備えて、万一の時の行動計画を作成しておくことはどんな業種でも不可欠です。まだBCPを策定していない方は、これを機会にぜひご検討いただけたらと思います。◆ティグレニュース13ジョイケアもりぐち(守口市主任ケアマネ連絡会)幹事主任介護支援専門員・介護福祉士・保育士みづしま美ケアマネージャーとして高齢者の相談業務を行いながら、地域のケアマネージャー(ひとりケアマネ等)のサポート、各サービス事業所との連携づくり、地域の認知症理解のための認知症サポーター・ジュニアサポーター養成講座の開催(年間10回以上)、認知症カフェや地域の通いの場のサポート、社会福祉協議会や各事業所連絡会と「もりぐち介護フェスタ」の開催等、地域連携の推進やサポートを行っています。津島 敬けい災害の種類により優先すべきことや守り方が異なるので、災害が起こる前の段階でさまざまなシチュエーションを想定することが大事である。図2 介護サービス提供に必要な資源を守る 防災では、介護サービスを提供するために必要な資源を守ることが重要 守るべき資源には、職員、建物・設備、そしてライフライン(電気・ガス・水道)がある 守り方は、災害の種類によって異なる図3 0(ゼロ)次災害に備えておくべき防災グッズの一例 現金 飲料水・携帯食(栄養補給食・ゼリー飲料・飴・チョコレート・ 塩分タブレットなど) モバイルバッテリー 衛生用品・救急セット(ティッシュ、ウエットティッシュ、ハンカチ、 マスク、生理用品、簡易トイレ、歯磨きセットなど) スキンケアセット(メイク落とし、ヘアゴムなど) 懐中電灯 防犯ブザー・防災ホイッスル 筆記用具・メモ帳 身分証明証のコピー・緊急連絡先 防寒具(カイロ、アルミシートなど)BBCCPPののポポイインントトはは書書類類づづくくりりとと連連携携づづくくりりTIGRE NEWS
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