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技術力だけでなく人間力も磨く「常在戦場」の気持ちで常に先を見据えるるよう、谷野社長も含め全社員がいつでもどこでも情報を共有できるスマホアプリも導入した。谷野さんは2002年に家業に戻ると同時に専務に就任し、ひととおりの実務は先代から引き継いでいたが、社長に就任したのは2012年のことだ。「実務を取り仕切っていたとはいえ、先代が社長としてどっしり座っていたので甘えていた部分もありました。自ら進んで行く道を切り開くことで、より責任を持って決断できる立場に身を置く必要があると考え、自分から社長になることを伝えました」と当時の決断を振り返る。就任後はさらに空調以外の電気、水の仕事を拡大していった。工場のインフラ設備工事については年商数百億円の企業との競争になることもあるが負けることはないという。「空気、電気、水の工事、メンテナンスをすべてワンストップでできるところはなく、屋内のインフラについてトータルで最適な提案を納得できる価格で提供することができるからです」と谷野さん。社員20人のプロ集団が目指すのは「小さくても強い会社」だ。また顧客から選ばれるためには事業の幅、技術力とともに人間力が重要とも語る。毎朝の朝礼、担当者会議、毎月1回開く全体会議を通して一人ひとりが目標を語り、そこに向けての決意を語る場となっている。コロナ禍では換気に対するニーズが高まり、多忙を極めた。「換気を重視すると、どうしても空調の効率が悪くなります。夏には暑さを、冬には寒さを感じないように湿度で調整を図りながら快適に過ごせるようにしています。美しい空気をつくり、お客様が安らげる豊かな空間をつくることが我々の最大の使命だと思っています」。時代の移り変わりや顧客のニーズに合わせて事業は変化を遂げてきたが、谷野さんは「常在戦場」と気を緩めることはない。「5年後、れば生き残ることはできません。現状維持では会社の未来はない、今以上の技術力、人間力を磨くことを忘れないでほしいと常に社員に伝えています」。「いつもがんばってくれている」とねぎらう社員に対し、より良い仕事ができるよう現在注力しているのが健康経営だ。1階の事務所スペースには健康器具を導入し、谷野さんの母・利子さん手作りの無農薬玄米で握ったおにぎりを毎日社員に配っている。「小腹がすいたとき食べていたスナック菓子をおにぎりに変えることで健康診断の数値が改善しつつあります。体調が良いとぐっすり睡眠でき、それが良い仕事につながります」。家族のような絆で「小さくても強い会社」はさらなる高みを目指す。株式会社谷野電機空調社員は家族のような絆で結ばれている27社員の健康維持のためオフィスに健康器具が置かれている事業内容/空調機・電機品販売等〒856-0820長崎県大村市協和町777-8TEL.0957-53-2311 FAX.0957-53-2368https://www.tanino.co.jp10年後を見て次の一手を打たなけ

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