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ことができたので結果的にはよかった」と振り返る。ちょうどタイミングを同じくするように印南町が国の農業構造改善事業の対象となり、起伏の激しい農地の整地が進んだ。「山と谷が入り組んだような地形で、露地でトラクターを入れようとしても落ちてしまうような傾斜地でした。それが平地にならされたことでビニールハウスも建てやすくなり、スターチスの栽培面積を増やしていくことができました」。また、広い敷地が確保できるようになったことで規格通りのサイズを導入することができ、コスト削減にもつながった。「このあたりはビニールハウスの需要が多いせいか和歌山県外の産地と比べても圧倒的にビニールハウスの値段が安く、それがさらに競争力をつけることにもつながったのだと思います」と分析する。そうした情報を近隣の農家と交換するうちに、一帯はスターチスの一大産地となっていった。チスは里帰りしてお墓参りをする年末年始と彼岸の時期に需要が集中する。山本さんのビニールハウスでは毎年9月に苗の定植を行い旬から収穫を始め、出荷のピークを「私たちが生活できているのはス、10月下迎える年末年始をにらみながら収穫量を調整していくという。スターチスは紫、黄色、ピンク、青、白など多彩な色の花をつけるが、冬場は特に紫の需要が高いという。「紫色の花を添えるのに、夏場はリンドウがあるのですが、冬場は紫色の花がないために重宝されるのです」。山本さんが栽培するスターチスも約半分を紫が占めるという。収穫されたスターチスは地元のJAを通して沖縄を除く全国に出荷されていく。スターチスは育てやすく、安定した収益が確保できる農作物である。ターチスのおかげ、ということを肝に銘じながら、これからも丁寧に大切に育てていきたい」と話す山本さん。現在は長男の真まき生さんも就農し、スターチスの栽培にいそしんでいる。今考えているのは山本さん自身がそうであったように若いうちから事業を任せること。「息子は息子のやりたいかたちがあるかもしれないし、任せることで経営感覚も身につけることができます。自身の経験を振り返っても早いに越したことはない」と着々と承継の準備を進めている。長男への承継はできるだけ早く仏花として重宝されているスターさ花き農家 山本 茂春生育には湿度管理に一番気を遣うという29最も人気の高い紫色のスターチス事業内容/農業〒649-1535和歌山県日高郡印南町津井104スターチスの株は1m以上の高さに育っていく

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