「うちはスーパーサイヤ人の集まりなんです」。宮山興業社長の宮山孝行さんは営業に出向く先々で、人気アニメ『ドラゴンボール』に登場する超越した戦闘力を持つキャラクター群になぞらえて、従業員のことをそう表現する。「技術力はもちろんのこと、気力にあふれ、体力もあって、仕事のスピードも速い。宮山さんと仕事をすると非常に助かる、と多くのお客さんに言ってもらえるのが誇りです」と話す表情に自信がみなぎる。法人化してまだ7年ほどだが、地元でもしっかりとした信頼を勝ち取り、毎年着実に受注量を増やしている。高校時代に喫茶店でアルバイトをしていた時に「お客さんと会話をするのが楽しかった」ことから卒業後は神奈川県葉山町にあるホテルに就職した。その後、地元和歌山県のリゾート地・白浜のホテルに転職する。「接客業の楽しさを改めて実感し、いつかレストランやペンションを自分で持てたらいいな」と思うようになった。ただ、そのためには開業資金を貯めないといけない。そこで、父親が関西電力の下請け工事をしていた関係から、その取引先の縁を頼り土木工事業を始めることにした。さまざまな現場の工事に出向きながら独力で技術を磨きつつ、1級土木施工管理技士の資格も取得。現場で知り合った仲間を誘いに法人化した。その後は下請けからの脱却を目指し、公共工事の入札に参加。20りに元請け工事を徐々に増やすとともに、大小のショベルカーを自前でそろえ、1000万円規模の工事を受注するようになる。その後の成長のステップとなったのは、近畿自動車道紀勢線の下部に箱型コンクリート構造物の「ボックスカルバート」を敷設する工事だったという。「受注額は3500万円で、それまで手掛けたことのない規模の工事だったため、資金繰りや人の手配なども含め本当にできるか不、44歳の時万円の側溝補修工事を皮切土木工事業を育て、長年の夢をかたちにスーパーサイヤ人の集まり誰よりも早く出社し、一番遅くまで会社に残る2632歳の時のことだ。株式会社宮山興業代表取締役 宮山 孝行さん東京和歌山
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