―具体的にどのような活用をしているのでしょうか。2D(2次元)メタバース、3D(3次元)メタバース、ゲームをしながら学ぶeスポーツの3つのサービスを提供しています。3Dを使うにはネット環境やハイスペックのパソコン、VRゴーグルなどのインフラ、ツールが必要なため、大半の学校は2Dのサービスを使っています。メタバース空間に入ると、フィリピン人の先生や生徒などが待機しており、自分が話したい場所へ自由に移動して、会話を楽しむことができます。ビデオ会議システムと違って空間を拡張できることが特長です。学校の授業で活用してもらうケースが多く、フィリピン人の生徒と一緒になって英語の授業を受けることもできます。同世代の生徒としゃべることで異文化を知ることができ、同じ第2外国語であるフィリピン人の英語レベルの高さを知ることで、英語学習のモチベーションになります。青森県三戸町の教育委員会は、コロナ前にていたのですが、当社のシステムを活用することにより240人全員のオンライン留学が可能になりました。授業を受けた生徒たちのほぼ全員が、実際にフィリピンに行ってみたいと言っており、来年からはASEANへの留学プログラムをつくり、オンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド型の留学を提案したいと思っています。―これからメタバースの活用を考えている人たちへのアドバイスがあればお願いします。まずはメタバースをオフィスで活用してみてはいかがでしょうか。リモートのままアバターでオフィスにいることを知らせることができますし、現実のオフィスとメタバースでホワイトボードを共有できるサービスなども増え、リアルとバーチャルの垣根は取り払われつつあります。特にエンジニアはリモートで働きたいというニーズが高く、優秀な人材、海外の人材を採用するチャンスにもなります。事業面での活用としてはイベント、インターネットショッピングなどが考えられます。気になる料金についても、例えば200名が同時接続できるメタバース環境を月額数万円で利用することができます。メタバースは空間と時間の制約を取り払って交流ができるツールです。私たちは学校という場ありきでどんな教育ができるかではなく、メタバースの世界から教育を再定義し、サービスを考えました。教える側も学ぶ側も、世界から人を集めることができることで教育サービスがガラッと変わる可能性を秘めています。私たちは英語によるコミュニケーションと新技術を融合させると何ができるかを常に考えています。皆さんも、自社の持つ強みやコアになるサービスを新技術と組み合わせることで何ができるかをぜひ考えてみてください。バーチャル空間で授業に参加したり交流できるのがメタバースの魅力同世代のフィリピン人と気軽に触れ合う自社のコアサービスを新技術と融合させてみるフィリピンの生徒と一緒に授業を受けることで異文化を知ることができるClassmate株式会社フィリピンの学校との語学留学事業を2010年に創業した井坂浩章氏が、コロナ禍を機にオンラインで留学、国際交流、異文化体験ができるプログラムを開発し、2021年5月に設立した。来年からはリアルの留学と融合したプログラムも展開する。アバターで参加できるため、普段より積極的になれる生徒もいるという10人の生徒を留学させるプログラムを持っ31
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