※前号の当連載の「図1」(P18)で、グラフの凡例の表記の「従来」と「今後」が逆になっていました。お詫びして訂正いたします。前回と今回で、人生を3つのステージに分けてライフプランを立てることの重要性を説明してきました。60歳が人生の折り返し点であるなら、お金との付き合い方も人生の前半戦とは変わってくると思います。慎重な資産運用を継続しながら計画的に資金を取り崩していくことが重要です。また、だれしも「老い」から逃れることはできません。「万が一に備えた方法」をとりながら人生100年時代を駆け抜けていきたいものです。まとめ・ 法律行為として「公正証書」を作成し、家・ 信頼できる組織・団体と準備を進めていく庭裁判所に申請する必要があります。ことが重要です。脳血管障害や事故による場合は、急激に進行ご本人の状態a代理人契約b一時払い保険c市町村社会福祉協議会日常生活自立支援事業ティグレニュース荒武コンサル事務所代表 中小企業診断士 荒武 貞雄1981年早稲田大学法学部卒業後、 三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。三和投信(株)大阪営業所長、パートナーズ投信(株)大阪支店長、T&Dフィナンシャル生命業務推進部長などを経て、2018年荒武コンサル事務所を設立。「難しいことをわかりやすく」「投資家の金融リテラシー向上」を信条に、お金の専門家として経営指導や講演を行っている。13出典:NPO法人STEP資料「認知症への備え」より抜粋第1ステップ任意後見契約の締結・判断能力がかなり低下してきた・自覚しない物忘れも始まった・日常の買い物くらいはできる・意思疎通は困難になったこのような場合には、ご本人の同意を得て、家庭裁判所への手続きを取ります。任意後見監督人が選任された後に、後見人としての仕事が始まります。60歳代第2ステップ家庭裁判所へ「任意後見監督人選任」の申立てアルツハイマー病などの場合、判断力の低下は除々に進行70歳代80歳代制度名(代理人カード含む)(指定代理請求特約付き)d高齢者向け信託囗座e民事(家族)信託f任意後見制度健康・自立レベル制度内容ご本人が元気なうちに、銀行などに「代理人」を届け出ておくと、取り決めた上限まで引き出しができる(金融機関により制度が異なる)。ご本人の「要介護1」認定などを条件として、指定された人が本人に代わって保険金を受け取ることができる。生活支援員が預金の引き出しなどを有料で請け負う制度。生活費の引き出しなどに対応している。本人に代わって病院などに支払いをしたり、代理人に送金したりできる(商品により内容は異なる)。信託銀行親族等が受託者となり本人に代わって金銭や不動産などの財産の管理・処分を行う。親族やNPO法人などを任意後見人として選定し、預金の引き出しや支払いの権限を与える。元気なうちに準備することが望ましい。この期間は「委任契約」による支援が可能です。ご本人以外の関係者代理人(親族等)銀行など代理人(親族等)保険会社など市町村社会福祉協議会(社協)受託者(親族等)親族もしくはNPOなどの組織・家庭裁判所・ 公証人記憶力・判断力低下レベル利用者から見たメリット簡単な届出だけで本人以外も引き出しができる。引出額が生活費の範囲内に限られる。本人に認知症が発症した場合、この制度が利用できなくなる金融機関もある。生命保険の指定代理請求特約については大きなデメリットはない。生命保険そのものの商品性は引受生命保険会社ごとに異なる。事前の届出により事務手続きが完了しており簡便。公的制度なので安心感がある(自治体ごとに制度は異なる)。信託銀行による、希望通りの堅確な事務処理が期待できる。少額(1回1200円程度)であるが、手数料が必要。相応の費用(100万円以上)がかかる。法律行為であるため、融通は利かない。相応の費用(100万円以上)がかかる。ご本人の意思で作成しているため、将来の親族間の相続争いの懸念は残る。親族などが受託者となるため、安心感がある。家庭裁判所の選任した監督人の選任が必要であり、継続的に一定の費用がかかる。比較的安価で、認知症などへの備えになる。認知症進行レベル利用者から見たデメリット備えるための様々な制度「任意後見」手続の時期図2図3TIGRE NEWS
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