・ 日焼け止めを付けずに紫外線・ 刺激の強い化粧品の使用・洗いすぎ・スクラブなどの硬い素材を使う・熱い湯ですすぐ・しっかり洗い流さない・こする、叩くを浴びる(ピリピリ・チクチクするもの)敏感肌とは、通常はなんともない刺激に対してピリピリ、チクチクといった不快な感覚が生じる肌状態を指しますが、明確な定義はありません。アトピー性皮膚炎などの皮膚状態が病的な方から、異常はないものの間違ったスキンケアや環境変化、ストレス等により一時的に過敏になる方まで、さまざまな状態があると推定されています。皮膚の最大の役割は「バリア機能」。物理的な刺激や病原菌やウイルス、化学物質などの外界からの異物の侵入に対する防御作用(out-in barrier過剰な水分の蒸散を抑え、乾燥から身体を守る防御作用(n-out barrier働きがあります。)と、体内からの)の二つのバリア機能が低下すると肌の内側から末梢神経が伸長し、少しの刺激で痛みやかゆみを生じる敏感症状が出やすくなってしまいます。温湿度の変化が激しい日本の季節の変わり目は、肌が過敏になる「季節性敏感肌」の方が増加する傾向があります。特に、春になると急激に増える紫外線や花粉、PM2・5、黄砂などの大気汚染によって肌が敏感になりがちです。スギ花粉に含まれる抗原タンパク質はバリア機能を低下させる作用があることが知られているため、花粉症の有無に関わらず注意が必要です。敏感肌症状は出る前に対策することが重要ですが、出てしまった後も共通して重要なのは「洗顔」と「保湿」です。敏感肌は、弱っているバリア機能をこれ以上壊さないことが重要です。肌に触れないようにたっぷりの泡を使い、やさしく洗顔しましょう。洗浄時間は長くても1分以内に抑えるのがポイントです。肌は温度や湿度など、外部環境の変化によって機能が低下することが知られています。そのため、保湿ケアで環境要因に備える・予防することが重要です。最近はWebやSNSでさまざまな商品情報を見ることができますが、肌に合わない化粧品を使い続けると、肌状態が悪化し回復に時間がかかってしまいます。敏感症状がひどい場合は、すみやかに皮膚科を受診しましょう。○洗顔○保湿第3回i)-㎡/Jk(量線外紫BVU算積日NG洗顔方法NG保湿方法敏感肌ってなに?皮膚のバリア機能と敏感肌季節性の敏感肌敏感肌対策のポイントは「洗顔」と「保湿」「季節性敏感肌」26季節の変わり目は肌状態が不安定になりがちです。特に春先は肌が過敏に感じる方も多いのではないでしょうか。敏感肌の要因を知り、正しい肌のお手入れをしましょう。理系美容家 かおり水分PROFILE一般社団法人美容科学ラボ代表理事。物質工学修士。専門学校講師やオンラインサロン運営、美容メディア監修、SNS発信を通じて「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に努める。MAQUIA(集英社)、an・an(マガジンハウス)、『クイズ!脳ベルSHOW』(BSフジ)などメディア多数に出演。水分物理的な刺激や病原菌やウイルス炎症紫外線の多いシーズン1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月(気象庁データ1997〜2017年平均値より作成)月別紫外線照射量(kJ/㎡/日)水分蒸発札幌つくば那覇刺激(痛み、かゆみ)末梢神経4035302520151050健康な肌⇨バリア機能が高い敏感な肌:バリア機能が低い
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