トを持っています(仮に税率30%、掛け金1・2万円×12か月=14・4万円なら年4・3万円の税金還付になります)。なお、会社勤めの方は勤務先の年金・退職金制度によってiDeCoの拠出額が変動します。リタイヤ期前後の方にとってiDeCoは年齢的に対象外となりますが、会社勤めの方は退職金が入ります。また、個人事業主や小企業経営者で事業売却(事業承継)などをした場合も一時的にキャッシュリッチになります。この場合「長期・積立・分散投資」の原則を思い出して、「資産運用をしなければいけない」と決して思わないでください。例えば2千万円の退職所得(事業譲渡所得など)があったなら、初年度はせいぜい3百万円を10通りくらいの投資対象にテスト投資してその値動きに慣れることが重要です。また、60歳を超えてから大きなリスクを取ることも考えものです。平均健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく暮らせる期間、男性76歳程度)まで、それほど長い時間は残されていません。資産運用で時間を敵に回すのではなく、リスクを抑えた資産運用を心がけましょう。あえて言えば目標リターンを年率1〜2%程度に抑えていきたいものです。この時期の資産運用は少しでも資産寿命を延ばすことが主目的です。資産を増やすことを主目的にするとリスクを取り過ぎてしまうので注意が必要です。リタイヤ後、75歳を過ぎたあたりから高齢期に入ります。このステージでは資産運用よりも計画的に資産を取り崩していくことを考えましょう。また、誰もが心身の衰えを経験していきますから、そのことへの備えも重要になります。認知能力の衰えに対しての備えなども欠かせなくなります(成年後見制度などへの理解も重要です)。まとめとして、今回は人生を3つのステージに分けてライフプランを立てることの重要性を説明してきました。昨年末に2024年からの「新しいNISA」制度の概要(図3)が発表になり、これから具体的な手続きなどが決まってくると思いますが、今後の資産運用の中核が「新しいNISA」制度になることは間違いありません。命の次に大切と言われる「お金のこと」に少しずつ経験を積んで学習していきましょう。また、個々人が有料で財務アドバイスを受ける時代も近いかもしれません。資産運用やライフプランを考えるのに遅すぎることはありません。それは「今日があなたにとって人生で一番若い日」だからです。退職金や事業売却収入で、リスクの大きな投資をしない高齢期では資産の取り崩しを考えるティグレニュース国民年金基金自営業者等(第1号被保険者)出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ(第21回)厚生労働省提出資料 資料2荒武コンサル事務所代表 中小企業診断士 荒武 貞雄19拠出限度額年額81.6万円(月額6.8万円)※国民年金基金等との合算枠拠出限度額年額27.6万円(月額2.3万円)参照:金融庁「令和5年度税制改正について」より作成拠出限度額年額24.0万円(月額2.0万円)(月額2.75万円)(月額5.5万円)会社員(第2号被保険者)企業型拠出限度額年額33万円企業型拠出限度額年額66万円確定給付型非課税保有限度額1800万円拠出限度額年額14.4万円(月額1.2万円)厚生年金基金確定給付企業年金私学共済など拠出限度額なし拠出限度額年額15.66万円(月額1.31万円)年金払い退職給付公務員等(第2号被保険者)専業主婦(夫)等(第3号被保険者)拠出限度額年額27.6万円(月額2.3万円)・非課税期間は無期限化。新規投資期間は恒久化・同じ年に併用可。年間最大360万円新規投資可能基本部分のつみたてNISA年間投資枠(現行40万円)⇒120万円一般NISAを引継ぐ成長投資枠(株式、ETF等)・年間投資枠(現行120万円)⇒240万円・非課税保有限度額⇒1200万円(1800万円の内数)年金制度の体系新NISA制度の概要(2024年より)図2図3TIGRE NEWS
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