『Pus One号にわたって「長期・積立(時間分散)・分散投資(投資対象の分散)」の基礎知識について解説してきました。今回はそれに加えて「非課税・低※コスト・税制優遇」をテーマに説明したいと思います(以上を「6つの資産運用原則」と呼びます)。「いくらお金があっても幸せとは限らない」とよく言われます。しかし「短い一生でやりたいことがたくさんある中で、できればお金の苦労は回避したい」ものです。そのためには「できるだけ早く」「計画的に」「一歩一歩着実に」ライフプランを立てることが大切です。図1は、4年ほど前に話題になった「退職後2千万円が足りなくなる」という金融庁のレポートで、資産形成・管理の重要性が』 627号から629※低コスト…資産運用初心者にはコストの安いインデックス投資をお勧めします。1枚にまとめられたものです。この図は人の一生を①現役期 ②リタイヤ期前後 分けてライフプランを立てることの重要性を訴えています。セカンドライフの資金計画の中核は「公的年金」です。菅内閣で話題になった「自助・共助・公助」の「公助」にあたり、税金からの大きな資金援助もある国民年金(基礎年金)がすべてのスタートになります。図2では例示として個人事業主の欄に赤枠をつけています。個人事業主や小企業のオーナーにとっては国民年金しかありませんので、「共助と自助」を生かすことが重要になります。そのために用意された「国民年金基金(予定利率1・5%)」「小規模企業共済(予定利率1・0%)」「iDeCo=個人型確定拠出年金(つみたてNISAと同じ自己責任運用)」の最大限の活用が大切で、3つの制度を合③高齢期にわせると最大13・8万円/月を拠出することができます。図1では人生を3つのステージに分類しています。現役世代の方(60歳程度まで)は資産形成時期であり、つみたてNISAとiDeCoに全力投球してくださいということです。冒頭で述べた「長期・積立・分散投資」に加えて「非課税・低コスト・税制優遇」の6条件すべてを満たしているのがiDeCoになります。つみたてNISAは掛金の全額所得控除や受取時の一定額までの税制優遇こそないものの5条件を満たしており、資金需要に応じていつでも解約できる点が魅力です。iDeCoは60歳まで引き出せないというデメリットがありますが、掛け金すべてが所得控除になるという大きなメリッ 人の一生とお金の関わり合い自分の年金制度がどこに位置しているかを把握自身の人生におけるステージを理解するライフプラン講座~今さら聞けない資産運用基礎知識~ 第4 回 基本は「長期・積立・分散投資」+ 「非課税・低コスト・税制優遇」l¥¥¥(資産額)マネーセミナー18出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」30歳頃40歳頃① 現役期(つみたてNISA・iDeCo等の活用)ライフステージ別の留意点②リタイヤ期前後就労延長運用継続資産形成50歳頃60歳頃計画的な取崩し70歳頃80歳頃資産寿命の延伸③ 高齢期90歳頃100歳頃(年齢)早い時期からの資産形成の有効性の認識少額からでも長期・積立・分散投資などによる安定的な資産形成自らにふさわしいマネープランの検討資産額の推移イメージ従来今後退職金がある場合、それを踏まえたマネープランの検討就労継続や収支の改善策の実行資産運用継続と計画的な取崩し心身の衰えを見据えたマネープランの見直し認知・判断能力の低下・喪失への備え高齢社会における資産形成・管理図1NEWS 04NEWS 04
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