今回は「元気でいきいきと過ごすための秘訣」を2つご紹介します。私たちは何かを達成したときや誰かに褒められたとき、うれしく感じたり、もっと頑張ろうという気持ちになったりします。実はこういうときに、脳内の「報酬系」という神経ネットワークに「ドーパミン」という神経伝達物質が放出され、私たちに「元気」や「やる気」「わくわく感」を感じさせます。ドーパミンが放出されやすくなるのは、次の3つの場合です(図1)。1つ目は「不確実なうれしい出来事を期待しているとき」。例えば、宝くじを買って、当たるかどうかはわからないけど、当たった場合のことを考えてワクワクしているようなときです。2つ目は「予期していなかったうれしい出来事が起きたとき」。例えば、宝くじが当たったときや、万馬券を取ったときなど、まさかと思っていたことが実際に起きたときです。3つ目は「うれしい出来事が確実に起きると予想されたとき」。例えば、会社を退職して、3カ月後に念願の海外旅行に行くと決めて、すでにチケットも予約してあり、その日が来るのを待っているようなときです。「もういくつ寝るとお正月」型ともいえます。これらの原理を応用すると、日常生活において「やる気」の素になるドーパミンの放出を「意図的」に促すことができます(図2)。そのひとつは「不確実なうれしい出来事を期待する」の応用で「目標設定型」の生活をすることです。実現するかどうかはわからないが、実現したらうれしいという目標を設定した生活。つまり、明日、1週間後、1カ月後、1年後が楽しみになるような生活です。聖路加国際病院の名誉院長、故日野原重明先生は手帳に常に5年先の予定を具体的に書き込んでいました。5年後の何月何日の何時から日比谷公会堂で全国から集まった3千人と自分の誕生会を祝う、と書くのです。5年先に生き100歳を過ぎても元気だった日野原重明さんの習慣第2回元気を生み出す「報酬系」と「ドーパミン」秘訣その①達成するとうれしい目標を立てる日常生活でのドーパミンの増やし方 図1 どんな時にドーパミンが放出されるか図2 日常生活で脳内のドーパミンを増やすには?不確実なうれしい出来事を期待しているとき〈例〉宝くじを買って、当たるかどうかはわからないが、当たった場合のことを考えてワクワクしているようなとき予期していなかったうれしい出来事が起きたとき〈例〉宝くじや、競馬で万馬券が当たったときうれしい出来事が確実に起きると予想されたとき〈例〉退職して3カ月後に念願の世界一周旅行に行くと決めて、チケットも予約、その日が来るのを待っているとき不確実なうれしい出来事を期待報酬系が活性化=元気が出る5年先の予定を常にスケジュール手帳に書き込んでいたスマート・エイジング16①「目標設定型」の生活をする実現するかどうかはわからないが、実現したらうれしい目標を設定した生活②「うれしいイベントの予約」を入れる〈例1〉3カ月後に生涯初めてクルーズで海外に行く〈例2〉半年後に憧れのウィーンフィル演奏会に行くNEWS 03NEWS 04「「ススママーートト・・エエイイジジンンググ」」のの秘秘訣訣中中小小企企業業経経営営者者をを守守るる
元のページ ../index.html#16